冬になると増える生姜が入った食品。生姜入りのキャンディや生姜入りのホットドリンクなどを、さまざまなショップで見かけるのではないでしょうか。寒い日に生姜の入った食べ物や飲み物を体内に摂り入れるのは、実は深い意味のある行為なのです。冬こそ生姜を食べるべき理由と生姜レシピを紹介します。
冬こそ生姜!積極的に食べたい5つの理由
生姜の旬は10~11月です。「新生姜」として販売されている生姜は、いずれも採れたての生姜です。生姜を少し乾燥させて寝かせたものは「根生姜」と呼ばれ、一年中、スーパーなどで購入することができます。
生姜は100グラム中の熱量が約30kcalと低く、栄養価が高い食べ物ではありません。しかしながら、冬場の健康に欠かせない成分が多く含まれており、冬にこそ食べたい食材の1つです。冬に生姜を食べるべき理由として次の5つを挙げられます。
身体を温める血流促進効果
生姜には血流を改善する効果があります。血行が悪くなると体温が下がり寒く感じてしまいますので、冬場はなるべく血行促進効果がある食べ物を摂り入れたいものです。寒い冬を温かく過ごすためにも、血流を促進させる生姜を食べましょう。
また、血流が改善されると、身体のコリもほぐれやすくなります。冬はどうしても身体を縮めがちになりますので、首や肩、背中などにコリを感じる人も増えます。生姜で血流を促進させて、冬特有のコリにも対処していきましょう。
ショウガオールで身体を温めよう
生姜を加熱調理すると、ショウガオールと呼ばれる成分が生じます。ショウガオールには体を内部から温める効果がありますので、冷え対策が必要な冬場には適した成分と言えるでしょう。煮込み料理やなべ料理などにも、生姜をすりおろしたものを入れてみてはいかがでしょうか。
発汗効果で風邪を撃退
生姜を食べると体がぽかぽかと温まり、発汗作用が起こります。発汗するときに体内の過剰な熱を発散しますので、風邪をひいているときなどには適度に解熱効果も期待できるのです。
もちろん、汗をかいた後はしっかりと拭いておきましょう。皮膚に汗がついたままの状態で放置していると、身体を冷やしてしまうことにもなりかねません。
殺菌効果があるジンゲロールでのどの炎症を改善
生姜にはジンゲロールと呼ばれる成分が入っています。ジンゲロールには殺菌効果があり、ウイルスから身体を守ります。また、消炎効果もありますので、風邪でのどに痛みがあるときなどにも、痛みを和らげてくれます。
ただし、ジンゲロールは熱に弱い成分です。生姜の殺菌・消炎効果を最大限に活かすためには、加熱しない状態で体に摂り入れる必要があります。のどの痛みが気になるときは、すりおろした生姜を熱くない飲み物に混ぜたり、甘酢漬けなどの加熱しない調理法の生姜を食べたりするようにしてください。
空気に触れるとジンゲロールは減少する
生の生姜に含まれているジンゲロールは、直接空気に触れると減少してしまう成分です。皮に覆われた状態で冷蔵庫に保管しているなら、ジンゲロールが著しく減少するということはないのですが、皮をむいた状態で空気にさらしていたり、特にすりおろした状態で空気にさらしていたりすると、ジンゲロールの量が減りやすくなります。
生の生姜をすりおろしてドリンク等に入れるときは、飲む直前にすりおろすようにしてください。また、お刺身や冷ややっこなどに生姜のすりおろしを添えるときも、できるだけ食べる直前にすりおろすようにしましょう。
免疫力を高めるジンゲロン
ジンゲロールが加熱されるとジンゲロンという成分が作られます。ジンゲロンには免疫力を高め、ウイルスや外的な刺激から身体を守る効果があります。風邪から身体を守るためにも、普段からジンゲロンを含む生姜を摂取するようにしたいものです。
ジンゲロンは過熱しないと生成されませんので、すりおろした生姜や刻んだ生姜をたっぷりと煮物やスープなどに入れ、さらに煮込むことをおすすめします。もちろん、シンプルに生姜をスライスして調理に使うこともおすすめです。生姜は過熱すると独特の苦みや辛みが減りますので、苦みや辛みが苦手な方も無理なく食べることができます。
胃腸の働きを活発にする効果
冬はどうしても運動量が減ってしまうため、胃腸の働きも鈍くなり、消化不良や便秘などが起こりやすくなります。寒くてもしっかりと運動し、適度に水分を摂取して、胃腸の働きを良好に保っておきたいものです。
生姜には胃腸の働きを活発にする効果があります。生姜を摂取することで、不活発だった胃腸を活性化し、消化不良や便秘などの不快症状もやわらげることができます。胃腸の調子が衰える冬場こそ、生姜をしっかりと食べましょう。
生姜を美味しく食べよう!おすすめレシピ3選
生姜のパワーを上手に活用し、冬場の健康維持に努めていきましょう。生姜は生臭いにおいを消す効果もありますので、お刺身や魚の煮付けなどに薬味的に使われることもあります。しかし、生姜の効能を活かしきるなら、生姜をメインにした食べ方がおすすめです。生姜をメインにするレシピを3つ紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
ご飯にぴったり!生姜の佃煮
生姜だけで作るシンプルな佃煮です。ご飯のおともに食べてもおいしいですが、おにぎりの具として食べることもおすすめです。
材料
- 生姜 200グラム
- いりごま 10グラム
- かつおぶし 5グラム
- 醤油・料理酒 各大さじ3
- 砂糖・みりん 各大さじ2
作り方
- 生姜はなるべく薄く皮を剥き、千切りにします。千切りが細かすぎると歯ごたえがなくなりますので、幅1.5~2㎜程度に切りそろえてください。
- 千切りにした生姜をさっと水洗いし、醤油と料理酒、砂糖、みりんと一緒に鍋にかけます。中火でじっくりと煮詰めていきます。
- 汁気が少なくなってきたら弱火にし、かつおぶしをまぶしてさらに煮詰めます。
- 汁気がなくなったらできあがりです。いりごまを適量かけて、いただきましょう。
お茶請けにもおすすめ!生姜のピクルス
ウイルスから身体を守ってくれるジンゲロールを効果的に摂取したいのなら、生姜を加熱せずに食べることが必要になります。生姜のピクルスなら火を使うのは一瞬だけですので、ジンゲロールを過度に破壊せずにたっぷりと摂取できます。ご飯のおかずだけでなく、サンドイッチにはさんだり、ティータイムのお茶請けとしてもおすすめです。
材料
- 生姜200グラム
- 赤唐辛子 1本
- ローリエ 2枚
- 白ワインビネガー・水 各100cc
- 砂糖 大さじ2
- 塩 小さじ1
作り方
- 生姜の皮を剥いて、食べやすい大きさに切ります。沸騰した水に生姜を入れて、1分ほど待ち、すぐにざるに開けましょう。
- 赤唐辛子以外の材料をすべて小鍋に入れ、軽く煮立ったら費を止めて種を抜いた赤唐辛子を入れます。ピクルス液の完成です。
- ピクルス液を瓶に入れ、生姜を入れてフタをし、しっかりと冷めてから冷蔵庫に入れます。1週間後にはおいしく味が馴染みます。
生姜の砂糖漬け
イギリスでよく食べられる生姜の砂糖漬け。甘さと苦さの絶妙なバランスで、一度食べたらやみつきになる人も少なくありません。
材料
- 生姜200グラム
- 砂糖120グラム
- グラニュー糖 適量
作り方
- 生姜の皮を剥き、2㎜程度にスライスして水に1時間ほどさらします。
- 鍋にたっぷりの水と生姜を入れ、2回ほどゆでこぼします。
- 鍋に水気を切った生姜と砂糖を入れ、中火で砂糖が溶けるまで加熱します。砂糖が溶けきったら弱火にし、砂糖が結晶状態になるまで加熱します。
- 砂糖が結晶化したら、すぐにクッキングシートなどの紙の上に上げて冷ましましょう。余熱があるうちにグラニュー糖をまぶせばできあがりです。
生姜で冬も健康に過ごそう
風邪予防や冷え予防など、冬に嬉しい効果がたくさん詰まった生姜。苦みが苦手な方も、ピクルスや砂糖漬けならおいしくいただけるのではないでしょうか。もちろん、健康維持には生姜以外の食べ物もバランスよく食べることが必要です。さまざまな食材をまんべんなく食べて、健康に冬を乗り切っていきましょう。