ママモル

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

食べたほうが良い油と、食べないほうが良い油があるって知ってますか?

 「油」というと何となく悪いものというイメージがありますよね。しかし、油は健康な生活には必要なものですので、極端に油を避けることは決して勧められることではありません。食べたほうが良い油と食べないほうが良い油の見分け方、適切に油を摂取する方法についてまとめました。

油は体に必要なもの

 油は体に不可欠な成分です。もちろん摂りすぎは良くありませんが、油だけでなくタンパク質や糖質、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養分をバランスよく摂取することが健康の秘訣でもあるのです。油が果たす役割の中でも、特に重要な役割を3つ紹介します。

栄養分の吸収を促進する

 ビタミンAやビタミンD、ビタミンAが欠乏したときだけビタミンAに変化するカロテノイド色素などは、油と一緒に食べることで栄養分として吸収されます。ビタミンが豊富な野菜サラダを食べるときは、油を使ったドレッシングを適量かけるようにしましょう。

細胞膜を構成する

 人間には60兆個もの細胞があると言われています。細胞1つ1つを構成する細胞膜は油からできていますので、油が不足すると細胞自体の維持も難しくなってしまいます。体を構成する基本単位である細胞を維持するためにも、適度に油を取り入れることが必要なのです。

皮膚のうるおいをキープする

 皮脂が分泌されることで、肌はうるおいをキープすることができ、また、細菌などが体に入り込むことを予防します。皮脂は油から作られますので、適度に油を取り入れていきましょう。

油に悪者のイメージがある理由

 ビタミンAやビタミンDなどの脂溶性の成分を体に取り入れるために不可欠な油。また、油は体の基本単位である細胞を構成する成分でもありますので、油を断ってしまうと体そのものを維持することすら難しくなってしまいます。

 生きていくために不可欠な成分でもある油ですが、「体に悪い」というイメージを持っている人が多いのも事実です。なぜ油には健康に悪そうなイメージがあるのでしょうか。

過剰な油は体脂肪として蓄積されるから

 油は体に不可欠な成分ですが、摂取しすぎることは良いことではありません。油を過剰に摂取すると内臓脂肪や皮下脂肪といった「体脂肪」として蓄積され、特に内臓脂肪が多すぎると高血圧や高血糖などの生活習慣病の発生リスクを高めることになるのです。

 近年、生活習慣病に罹患する人や生活習慣病予備軍の人は増えてきており、体脂肪を減らすための食生活やエクササイズにも注目が集まってきています。体脂肪を減らすために極力油分を控えようと考える人も多く、「体脂肪は悪」=「油分は悪」という公式が成り立つようになったのです。

体脂肪もある程度は必要

 生活習慣病予防の観点から「体脂肪=悪」と考える人も少なくありません。実際に体脂肪率が高すぎることは生活習慣病罹患リスクを高める要因となりますので、過剰な油分摂取は控える方が良いでしょう。

 しかし、すべての体脂肪が不必要だというわけでもありません。体脂肪率が低すぎると月経周期が正常でなくなったり、妊娠や出産ができなくなったりすることもあります。また、内臓脂肪が少なすぎると外部の衝撃から内臓を守れなくなり、ちょっとした衝撃で内臓が傷つくこともあるのです。

積極的に食べたい油とは?

 油も体脂肪も、適度に体に必要なものです。しかし、「油」と一口に言ってもさまざまな種類の油がありますよね。油の中でも特に体に良い油とは何なのでしょうか。

成長期に必要な油

 どの油が体に良いかは、年齢によっても変わります。特に成長期の子どもには、カロリーが高く効率よくエネルギーを補給できる油は積極的に摂取したい成分の1つです。

 とりわけ脳の発達に影響を及ぼすといわれるドコサヘキサエン酸(DHA)は、成長期の子どもに適した油といえます。ドコサヘキサエン酸はサバやイワシなどの青魚に豊富に含まれていますので、日々の食事に青魚を取り入れていきましょう。

成人期に必要な油

 生活が忙しく、十分に運動する時間が取れないことも多い成人期。食事から摂取したカロリーが消費カロリーを上回り、知らず知らずのうちに体脂肪が蓄積してしまうことも多いです。

 体脂肪の蓄積が気になり始めたら、体内の中性脂肪を低下させる働きがあるエイコサペンタエン酸(EPA)を意識的に摂取するようにしましょう。エイコサペンタエン酸は、ドコサヘキサエン酸と同じく青魚に豊富に含まれています。青魚を毎日1回は食べるようにし、中性脂肪を効果的に減らしていきましょう。

 また、40代になると血圧が気になる方も増えていきます。生活習慣病の1つでもある高血圧を予防するためにも、血圧低下作用のあるα-リノレン酸を意識的に摂取するようにしてください。α-リノレン酸はアマニオイルや菜種油に豊富に含まれています。特にアマニオイルには高濃度にα-リノレン酸が含まれていますので、炒め物やドレッシングなどに使ってみてはいかがでしょうか。

できれば避けたい油とは?

 油は健康な体には不可欠な成分ですが、できるだけ避ける方が良い油があるのも事実です。極力避けたい油としては、動物性脂肪と乳脂肪、トランス脂肪酸の3つを挙げられます。

動物性脂肪の大量摂取は生活習慣病のリスクを高める

 牛肉や豚肉などの脂肪分は、大量に摂取するとコレステロールや中性脂肪を増やすため、生活習慣病のリスクを高めます。牛肉や豚肉の赤身の部分は良質なタンパク質が含まれていますので積極的に食べたいですが、体脂肪として蓄積されやすい脂肪分はできれば避けるようにしてください。

乳脂肪も生活習慣病のリスクを高める

 乳脂肪も、大量に摂取すると高脂血症や動脈硬化などの生活習慣病を招きますので、摂取量を控えたい油の1つです。乳脂肪分が大量に含まれるケーキやクッキーなどの洋菓子は、量を調整しながら食べるようにしてくださいね。

トランス脂肪酸も注意したい油分の1つ

 不飽和脂肪酸に水素添加して化学的に合成したトランス脂肪酸も、注意をしたい油分の1つです。長期的に大量のトランス脂肪酸を摂取すると、心臓病の罹患リスクを高めるという研究結果もあり、アメリカではすべての食品にトランス脂肪酸の含有量を表示することが義務付けられています。

参考:農林水産省「米国 栄養成分表示」

適度に油を摂取する方法

 油は必要ですが、動物性脂肪と乳脂肪、トランス脂肪酸が含まれている食品は摂取量が過剰になりすぎないように注意する必要があります。適度に良質な油を摂取する方法を2つ紹介します。

1日に1食は青魚をメインにする

 青魚に含まれているドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸は、成長期の子どもだけでなく体の不調が気になる成人にも必要な良質な油です。ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸が豊富に含まれている青魚を1日に1食はメインにし、青魚を中心とした献立を立てましょう。

洋菓子よりも和菓子やフルーツを

 洋菓子には、ショートニングやバターなどのトランス脂肪酸や乳脂肪が大量に含まれています。健康を意識するなら、洋菓子よりは和菓子やフルーツを食べるようにしてください。

体に良い油を積極的に摂取しよう

 油と言っても、すべての油が健康に良くないわけではありません。健康にはあまり良くないトランス脂肪酸と乳脂肪、動物性脂肪は極力避け、体に良いドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸、α-リノレン酸を意識的に摂取するようにしてくださいね。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

EARTH CHILD アースチャイルド


Back to Top