甘酒というと、お正月やお雛祭りのときに飲むものという印象がありますが、最近、その栄養価が再評価され、しかも美容やダイエットにも効果的と言われるようになりました。では、その甘酒の栄養価とはどのようなものなのでしょうか。また、なぜダイエットに効果的と言われているのでしょうか。それらをまとめてみました。
甘酒はどんな食品?
甘酒というとお酒の一種と思っている人も多いのではないでしょうか。白濁した液体という見た目から、ろ過していないどぶろくのように見えて、アルコール分が強そうに思えます。
酒粕を原料とする甘酒もありますが、米や米麹を原料とし、アルコール分も含まれている場合もわずかで、ソフトドリンクとして市販されているものは、アルコールの含まない甘酒です。
甘酒が健康にいいと言われるワケ
甘酒は「飲む点滴」と称される食品です。甘酒に含まれる栄養成分は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸、葉酸、イノシトール、ビオチンなどのビタミンB群をはじめ、システイン、アルギニン、グルタミンなどのアミノ酸、食物繊維、オリゴ糖、そしてブドウ糖が含まれています。
実は、これらの栄養成分は、栄養を補足する点滴の栄養成分とほぼ同じと言えます。そのため、「飲む点滴」と称されるわけです。
なかでも、ビタミンB群やブドウ糖は、点滴同様、疲労回復の働きがあります。
甘酒はダイエットにいいと言われるワケ
先述したように、甘酒には多くのビタミンB群が含まれているため、代謝を促進させ体内に残る糖質をエネルギーに変えることができます。
また、イノシトールは「抗脂肪肝ビタミン」と称される成分ですが、その別称の通り、脂肪の流れを促し、余分な脂肪が肝臓に溜まらないようにする働きがあります。血管や肝臓の脂肪、さらにコレステロールの流れも促す作用もあります。
甘酒には、代謝に欠かせない栄養成分の酵素も多く含まれています。リパーゼもそのひとつで、皮下脂肪や内臓脂肪など、余分な脂肪を燃焼する働きをもちます。
アミノ酸も甘酒には多く含まれています。アミノ酸は、エネルギーの消費量を増やし、脂肪分解酵素を活性化させます。
カロリーの点でも、100g当たり81kcalと低カロリーの食品なので、ダイエットに適していると言えます。
甘酒は美容にもいいと言われるワケ
甘酒には、ビタミンB1、B2をはじめとする多くのビタミン群が含まれていることを先にもお伝えしましたが、このビタミン群には、肌細胞を活性化する働きがあります。細胞を活性化することで、細胞のターンオーバーを促進させることができるのです。
また、肌の乾燥を防ぐ必須アミノ酸も含有しています。
甘酒は酒粕を原料とするものもありますが、米麹を原料とするものもあります。この米麹にはコウジ酸が含まれており、このコウジ酸にはシミやくすみの原因となるメラミンの生成の抑制も期待できます。
甘酒ダイエットの方法
甘酒には、酒粕を原料とするものと米麹を原料とするものがあります。酒粕を原料としたものにはアルコールが含まれるため、ダイエットのために毎日口にする場合は、米麹を原料とした甘酒がおすすめです。
甘酒ダイエットは、一日のうち一食だけ甘酒に置き換えるだけと、実に簡単に取り入れやすい方法です。おすすめは、朝食を甘酒カップ一杯に置き換えます。毎日続けることが大切です。
寒い時期は、温めた甘酒にしましょう。体も温まり、腸の動きも活発になります。ただし、ダイエットに有効な成分であるビタミンB群や酵素は熱に弱いという弱点があります。アツアツにしないで、約60度以下に押さえておきましょう。
小腹が空いたときに、カップ一杯飲むのもいいですね。カロリーが低いからといって、飲み過ぎには注意してください。
甘酒には、ビタミンB群や酵素、必須アミノ酸などのダイエットに効果的な働きのある栄養成分が豊富に含まれています。点滴同様の栄養素が補え、ダイエット効果も期待できるとなれば、実践してみたいものです。一日一食を甘酒に置き換えるという取り入れやすい方法なので、試してみてくださいね。