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アデノウィルスとは?その症状と対処方法。

 プールで感染することが多いため「プール熱」と呼ばれることもある「アデノウィルス感染症」。風邪に似た症状が見られることも多く、「夏風邪」と呼ばれることもあります。また、目が充血しますので「はやり目」と呼ばれることもあります。

 アデノウィルスに感染するとどのような症状が見られるのか、また、どのように対処することができるのかについて解説いたします。

アデノウィルスとアデノウィルス感染症

 風邪の原因となるウィルスにはさまざまな種類がありますが、アデノウィルスもその中の1つのウィルスです。ただし、多くの風邪原因ウィルスと比べて、アデノウィルスは重篤な症状を引き起こすことが多いですので、抵抗力が弱い子供にとっては特に注意するべきウィルスとなります。

アデノウィルス感染症の症状はさまざま

 アデノウィルスに感染しても、人によって症状がさまざまに見られます。これは、アデノウィルス自身が51もの血清型に分かれており、それぞれの血清型によって見られる症状も異なるからです。アデノウィルスに感染することによって生じる症状の中でも、特に代表的なものをいくつか紹介します。

結膜炎

 アデノウィルスが付着した手で目をこすると、目の中にアデノウィルスが入り込み、白目の部分が真っ赤になってしまう「結膜炎」の症状が見られることがあります。結膜炎の症状が出ると、白目が赤くなるだけでなく、目やにや涙がたくさん出るようになったり、目の中がなんとなくゴロゴロするように感じたり、まぶたが腫れたりすることもあります。なお、アデノウィルスによる結膜炎は1週間前後で治ることが多いです。

 このまま放置しておくと、さらに目の中の異物感が強くなり、黒目の部分が濁ってしまうことがあります。さらに症状が進むと視力が悪くなることもありますので、白目が赤くなった時点ですぐに病院を受診するようにしてください。

高熱

 アデノウィルスに感染すると、40度前後の高熱が出ることもあります。ただし、高熱が続くというよりは、1日の間で発熱と解熱を繰り返すことが多いです。個人差もありますが、発熱を解熱の繰り返しは3~5日ほど続きます。

咳やくしゃみなどの風邪症状

 咳やくしゃみ、鼻水などの風邪に似た症状が出ることもあります。場合によっては、頭痛が見られることもあります。通常の風邪よりは重篤な症状が出ることも多いです。

扁桃腺の腫れ

 高熱が続くと、首や耳の周囲のリンパ腺が腫れて痛くなったり、扁桃腺が腫れて喉が痛くなったりすることもあります。一般的には扁桃腺の腫れは1週間前後続きます。扁桃腺の腫れが強くなると、会話することも困難になってしまいます。

腹痛や下痢

 アデノウィルスに感染することで、腹痛や下痢が生じることもあります。アデノウィルスは便によっても感染しますので、おむつを付けている赤ちゃんやトイレトレーニングの子供がアデノウィルスに感染したときは、周囲に便がついていないか確認するだけでなく、世話をする大人も石鹸を使って丁寧に手指を洗うようにしてください。

出血性の膀胱炎

 アデノウィルスに感染すると、出血性膀胱炎にかかってしまうこともあります。出血性の膀胱炎とは、排尿時に痛みがあるだけでなく血尿も出る病気です。通常、排尿時の痛みは2~3日で症状が改善し、血尿は10日前後で症状が改善しますが、場合によっては長引きますので早めに病院を受診するようにしてください。

アデノウィルスに感染したときの対処法

 アデノウィルスに感染したときは、治療の特効薬はありません。一定期間が過ぎて症状が軽くなるのを待つしかありませんので、早めに病院を受診し、解熱剤や抗生物質などの対症療法を実施するようにしましょう。

放置しておくと重篤な病気にかかってしまうことも!

 アデノウィルスに感染した状態で放置しておくと、肺炎や気管支炎などの長期化しやすい病気にかかったり、髄膜炎や膀胱炎などのように強い痛みを伴う重篤な病気にかかってしまったりすることもあります。「よくある病気だからそのまま様子を見よう」と放置するのではなく、高熱や結膜炎、インフルエンザに似た症状などが見られたら、なるべく早くかかりつけの病院に行くようにしてください。

脱水症状にならないように水分補給に注意して!

 病院に連れていき、処方された内服薬を適切なタイミングで服用させます。また、高熱によって脱水症状が起こりやすくなっていますので、こまめに水分補給をするように注意して下さい。授乳中の赤ちゃんなら、欲しがるだけおっぱいやミルクを与えるようにしましょう。

決して珍しくはない病気だけど実は怖いアデノウィルス

 アデノウィルスは、保育園や幼稚園などに通っている子供には決して珍しい病気ではありません。しかしながら症状が重篤になることもありますので、決して軽く見ることがないようにしてください。

参考サイト:
アデノウイルスの種類と病気
アデノウイルス感染症

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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