冬が近づくと、インフルエンザにかかったという声も聞かれ始めます。この時期になると、お子さんを持つ親御さんの間では、インフルエンザのワクチンを受けさせるのかが話題になりますよね。インフルエンザの予防接種はする方が良いのか、副作用や費用、メリットから探っていきましょう。
インフルエンザの予防接種のメリット
インフルエンザの予防接種を受けることには、次の3つのメリットがあります。基本的には任意接種ですので、必要性を感じるときは早めに受診しておきましょう。
インフルエンザの感染を予防できる
インフルエンザの予防接種を適切な時期に受けておくことで、インフルエンザの感染を予防することができます。もちろん、予防接種を受けたからといって絶対にインフルエンザにかからないということはありませんが、予防接種を受けないときと比べると、相対的にインフルエンザに感染する確率を下げることができるのです。
厚生労働省が実施した2015/16の調査では、満6歳未満の子供の場合、インフルエンザの予防接種を受けなかった子供に比べると予防接種を受けた子供は感染率が60%も下がりました。「もし予防接種をしていたら・・・」と後悔しないためにも、適切な時期に予防接種を済ませておく方が良いでしょう。ただし、アナフィラキシー反応などが出やすい子供や医師が予防接種を勧めないと判断したときは、予防接種を無理に受ける必要はありません。
インフルエンザにかかったときの症状を抑えることができる
予防接種を受けてもインフルエンザに感染することはありますが、予防接種を受けないときと比べると重篤な症状が出にくいことも報告されています。特に体力が低い幼児期は、予防接種を前向きに検討する方が良いでしょう。
その年に応じたインフルエンザ対策ができる
その年のインフルエンザの流行に合わせて、毎年新たにワクチンが製造されています。毎年定期的にインフルエンザワクチンを接種することで、その年に合ったインフルエンザ対策をすることができるのです。
危険な症状も!インフルエンザの予防接種の副作用
インフルエンザの予防接種を受けると、2~3日のうちに接種した部分が赤くなったり腫れたりすることがあります。しかし、この局部的な症状はすぐに収まりますし、予防接種を受けた人の1~2割に見られることですから、特に心配する必要はありません。また、発熱やだるさなどの全身症状を示すこともありますが、こちらも高熱でない限り2~3日で症状は収まりますし、特に心配する必要はありません。
ただし、以下のような重大な症状が見られることもあります。様子がおかしいなと思ったら、すぐに予防接種を実施した医療機関に問い合わせ、適切な処置が受けられるようにしましょう。
- アナフィラキシー反応(発疹や嘔吐、意識混濁、呼吸困難等)
- 急性散在性脳脊髄炎
- けいれん
- 脊髄炎
- 視神経炎
- ギランバレー症候群 等
インフルエンザワクチンを接種する前に
インフルエンザのワクチンは、年齢によって1回のワクチン量と回数が異なります。
- 生後6ヶ月未満:受けない
- 生後6ヶ月以上3歳未満:1回0.25mlのワクチンを2回接種(一部、満1歳以上しか摂取できないワクチンもあります)
- 3歳以上13歳未満:1回0.5mlのワクチンを2回接種
- 13歳以上:1回0.5mlのワクチンを1回接種(医師の判断によっては2回接種になることもある)
予防接種に適した時期
日本では1月末~3月にかけてインフルエンザが流行しますので、遅くとも12月の中頃までには予防接種をしておくことが望ましいと言われています。ワクチンの供給量に限りがあることもありますので、早めに自治体もしくはインフルエンザの予防接種を実施している最寄りの医療機関にお問い合わせください。
予防接種の費用
インフルエンザの予防接種の費用は医療機関によっても若干差がありますが、1回あたり平均3,500円程度で受けられることが多いです。市区町村や企業で助成制度を提供していることもありますので、かならず調べてから予防接種を受けるようにしてください。
予防接種以外のインフルエンザ予防対策
予防接種を受けることでインフルエンザに感染する確率は減らせますが、確率が0%になるわけではありません。予防接種を受けるだけでなく、次の予防対策も実施してください。
- 外出時にはマスクをかける。
- 帰宅時に手洗いとうがいを徹底する。
- 加湿器などを使って室内の湿度を50~60%に保つ。
- 休養を充分にとる。
- 栄養バランスに配慮した食生活を心がける。
- 人が多い場所になるべく出かけないようにする。
早めの対策でインフルエンザを予防しよう
インフルエンザに感染してからでは、予防接種の意味がありません。予防接種を受けようと考えている方は、できれば10月末~12月中頃にはワクチンを受けるようにしてください。また、予防接種を受けない場合も受ける場合も、インフルエンザ対策を実施することは大切なことです。マスクや手洗い、うがいでウイルスが体内に入ることを予防し、湿度や休息、栄養バランスに注意して日々対策に努めましょう。