「健康に生きていくためには、適度な運動が必要だ」ということはよく言われます。しかし、普段から運動する習慣がない人にとっては、定期的に運動することは簡単なことではありませんよね?そのような運動習慣がない人には、ストレッチをおすすめします。ストレッチでも運動の代わりになること、そして、ストレッチがもたらす健康効果についてまとめました。
ストレッチも運動の1つ
ストレッチというと、「運動する前の準備体操」だと考えている人も多いのではないでしょうか。確かに運動をする前には、急な動きで筋肉を痛めないようにストレッチ(柔軟体操)を丁寧に実施します。しかし、ストレッチ自体も運動の1つです。ストレッチで意図的に筋肉や関節を伸ばし、身体の柔軟性を高めることができるのです。
ストレッチの効果
ストレッチは単なる準備体操ではありません。ストレッチをすることで、次のような効果を期待できるのです。
身体の柔軟性を維持・向上する
ストレッチは身体の柔軟性を維持もしくは向上する効果があります。デスクワークの人は一日中同じ姿勢でいるために筋肉が凝り固まり柔軟性が低下してしまいますが、適度にストレッチを実施することで柔軟性をキープすることができるのです。
正しい姿勢を保つ
ストレッチで筋肉の余分な凝りをほぐすと、正しい姿勢を保ちやすくなります。正しい姿勢で生活すると、肩コリや腰痛、首の痛みなどの不快な症状が出にくくなりますので、審美的にも健康的にも正しい姿勢をキープすることは大切なことと言えるでしょう。
体温を高める
ストレッチによって筋肉をほぐすことで、筋肉が温まり、結果として体温を向上させることも可能です。体温が高くなると基礎代謝も高くなりますので、太りにくい身体を作ることも期待できます。
リラクゼーション効果
ストレッチをすることで、心身ともにリラックスすることができます。30分のストレッチの後に脳波や自律神経の働きを調べた調査では、リラックスしたときに増加するα波の増加が観察されました。また、心拍数も低下して、自律神経系がリラックスモードに突入したことを示しました。このことから、ストレッチをすると何となく気分が落ち着くのではなく、本当に心身ともにリラックスできることが分かります。
習慣的なストレッチがもたらす嬉しい健康効果
ストレッチで期待できるのは、柔軟性の向上やリラクゼーション効果だけではありません。さらに積極的な健康効果も期待できるのです。
動脈硬化の予防
座ったまま前屈姿勢をとる“座位前屈”の評価が高い人は、動脈硬化度が低いことが報告されています。その理由としては、身体を柔軟にほぐすことで血管の柔軟性や血流に影響を与えていることも考えられますが、ストレッチによるリラクゼーション効果で、血管の柔軟性がキープできているとも考えられます。
高血圧の予防
ストレッチの1種でもあるヨガを定期的に実施することによって、血圧が低下することも報告されています。高血圧を予防したい人も、定期的にストレッチをすることが勧められます。
運動代わりのストレッチ!実践的方法を紹介します
思いついたときに手足を伸ばすだけでは、健康維持に必要な運動を充分にしているとは言えません。運動代わりにストレッチをする人が抑えておくべきポイントを紹介いたします。
1つの動きを20秒以上キープする
筋肉や関節を充分に伸ばすためには、1つの動きを少なくとも20秒はキープする必要があります。無理な体勢をとらないように注意しながら、20秒以上同じ姿勢で伸ばしましょう。
伸ばす部位を意識する
どこの筋肉や関節を伸ばすのかを意識することで、健康増進につながるストレッチが完成します。適当なストレッチを続けていると、きちんと伸ばしている筋肉と伸ばしていない筋肉のムラができてしまいます。かならず伸ばす部位を意識して、全身をまんべんなくストレッチしていきましょう。
ストレッチ中も深い呼吸を続ける
筋肉や関節を伸ばすときに、無意識に息を止めてしまう人が多くいます。しかし、息を止めてしまうと、ストレッチする部位に充分な酸素が送られず、血行促進や体温上昇効果が期待できなくなってしまいます。ストレッチをしている間も、深い呼吸を一定のリズムで続けるようにしてください。
気持ちが良い程度に伸ばす
思いっきり筋肉や関節を伸ばすことは悪いことではないのですが、痛みを感じるほどに伸ばすと、筋肉や筋を痛める原因となってしまうこともあります。気持ちの良さを感じる程度に伸ばすようにしましょう。
気分転換にもストレッチがおすすめ
ストレッチには、リラクゼーション効果だけでなく気分転換効果もあります。仕事中や勉強中に眠気を感じたら、ストレッチを実施することで気分転換をして眠気も発散して下さい。すっきりとしない頭で単純作業を続けるのではなく、ストレッチを効果的にはさみこむことで作業効率を向上させてみてはいかがでしょうか。