頭痛や生理痛に悩まされて痛み止めのロキソニンが手放せない!という人もいるでしょう。痛みがあると生活に支障が出てしまうことも多いので、辛い痛みを素早く和らげてくれる痛み止めはありがたい存在ですよね。
最近ではかつて医療機関でしか出してもらえなかった「ロキソニン」が市販されるようになったので、それに頼っている人も多いかもしれません。市販の薬だから安全なのだろうと思われがちですが、このロキソニン、実は劇薬に分類されていた薬なんです。知っていましたか?
ロキソニンが市販薬だからといって油断してはいけない!
市販の痛み止めは一般的に安全性を考慮して、主成分を少なめにしていることが多いので、効き目があまり強くありません。そのため、歯の痛みなどの強い痛みに対しては市販薬ではあまり効果がないことも多いのですが、ロキソニンはそのような薬に比べて強い効き目があることから愛用している人が多いようです。
そもそも、ロキソニンは市販される前は「劇薬」という位置付けでしたので、医療機関で処方箋がなければ出してもらうことはできませんでした。がしかし、それが「普通薬」という位置付けに変わったため、市販されるようになったのです。でも容量や内容が変わったかというとそういうことはなく、以前と全く同じ薬なのです。
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2010/1001etcs_lox.pdf
若い女性に多いロキソニンのカジュアル飲み、気をつけないととんでもないことに・・
薬を常に持ち歩き、何かあったらすぐに気軽な感じで薬を飲むのを薬の「カジュアル飲み」というのだそうです。特に若い女性に多く見られ、可愛いケースに痛み止めや花粉症の薬などいろいろな薬を入れて、まるで魔法の薬でも持ち歩くような感覚です。
薬に全く抵抗を持つことなく、イヤな症状が楽になるからとホイホイ薬を飲むという習慣がついていると、飲み続けているうちにだんだんと効きづらくなってきます。そのため量がどんどん増えて行き、いつの間にか服用量を超えて飲んでしまうことになります。
また、痛み止めというのは病気の状態を良くするわけではなく、ただ単に症状を隠してしまっているだけなので、痛みを隠し続けることで実は体に潜んでいる大きな病気を見逃してしまうことだってあります。今や簡単に手に入るロキソニン。効き目が良いので重宝している人も多いでしょうが、作用と副作用は裏表です。
つい最近、厚生労働省から「重大な副作用」の記載を指示されたロキソニン
ロキソニンはプロドラッグ製法と呼ばれる方法で作られているため、他の痛み止めに比べて副作用が少ないということになっています。しかし、2016年の3月に厚生労働省が「重大な副作用」として「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追加するように指示したのです。つまり、ロキソニンを頻繁に服用することによって胃腸障害が起き、小腸や大腸が狭くなったり最悪ふさがってしまうのです。腸がふさがると死亡してしまうこともあるので、これは大変重大なことだと言えるでしょう。
妊娠中にロキソニンを服用して赤ちゃんが死亡した例も
妊娠中というのはお腹の赤ちゃんのことを考えて、口に入れるものには細心の注意を払わなければなりません。当然、薬も同様です。妊娠中に薬を飲むことで赤ちゃんの奇形を招く(催奇形性)などの悪影響を極力避ける必要があります。
ロキソニンは強い薬ですので、通常医療機関で妊婦さんに勧められることはありません。妊娠中に頭痛や歯の痛みなどが出た場合は、効き目がマイルドで、胎児への影響が少ないアセトアミノフェンが出されることがほとんどです。
しかし、例えば妊娠初期に妊娠していることに気がつかずロキソニンを飲んでしまうことがひょっとしたらあるかもしれません。でも、大量に飲んだということがなければ、妊娠初期の場合はほぼ何も影響が出ないようですので心配しなくて良いでしょう。
問題なのは妊娠後期に飲んでしまう場合です。ロキソニンは血管を収縮する作用があるのですが、赤ちゃんのへその緒の部分にある血管を収縮させてしまうというようなことが起こると、赤ちゃんに酸素が行き届かなくなってしまい、赤ちゃんが死んでしまうのです。実際にこのような死亡例は起きています。
http://www.achmc.pref.aichi.jp/sector/hoken/information/pdf/drugtaioutebikikaitei%20.pdf
http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5806-077.pdf
まとめ
どのような薬も副作用が伴います。副作用の可能性を頭に入れておきましょう。処方薬にしても店頭販売薬にしても、添付文書をよく読めば、ロキソニンに限らず多くの薬が、かなり重篤な症状も想定されていることがわかります。こうした情報を頭に入れておき、服用後に少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。服薬の指示は守りましょう。安易な使用を避けて、必要最低限の服用に留めれば、それだけリスクを減らすことができます。