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子どもが喉の痛みを訴えたら咽頭炎!? 咽頭炎の症状と予防法

 喉が痛いと子どもが言ったら、まず咽頭炎を疑います。咽頭炎は、風邪と同様にウイルスや細菌感染により発症する病気です。子どもが罹る咽頭炎の症状や原因、予防法などをまとめました。病院へ行く前の参考にしてください。

咽頭炎はどんな病気?

 口腔の奥の部分から食道の入り口までを咽頭といい、咽頭炎とは、咽頭の粘膜や粘膜下組織が炎症を起こす病気で、アデノウイルスなどのウイルスや、溶連菌やインフルエンザ菌などの細菌が感染することで発症します。口蓋扁桃に炎症を起こしたときは、扁桃炎と呼びます。

急性咽頭炎の原因と症状

 急激な喉の痛みを引き起す急性咽頭炎は、感染源が細菌による場合とウイスルによる場合とで、症状が違ってきます。

 細菌による場合は高熱が出ますが、咳やくしゃみなどの症状はみられません。一方、ウイルスによる感染の場合は、発熱や咳、鼻水などの風邪と似たような症状がみられます。

 細菌でも、溶連菌の一種であるA群溶血性連鎖球菌に感染した咽頭炎は、重篤化しやすいので注意が必要です。発熱と喉の痛みが出た後、頭痛やリンパ節の腫れなどの症状が表れますが、ほかにも、体にできる赤い発疹や、舌にツブツブができる「イチゴ舌」といわれる症状がみられます。

赤ちゃんの急性咽頭炎(ウイルス感染)

 赤ちゃんはウイルスによる急性咽頭炎がほとんどで、初期段階では咽頭が赤くなりますが、喉の痛みはあまり強くありません。しかし、悪化すると、咽頭に赤い発疹やリンパ節の腫れなどの症状が出てきます。おっぱいやミルクを飲むとき機嫌が悪くなりぐずることがあります。

 さらに悪化してくると咳がひどくなり、粘膜に強い炎症がみられるようになります。声がかすれ犬の遠吠えのような「ケン、ケン」という通常と違う特徴のある咳が出ます。また、気道を塞いで呼吸困難になることもあるので注意が必要です。

子どもの咽頭炎(溶連菌感染)

 子どもの細菌による急性咽頭炎は、症状が悪化しやすいという特徴があるので注意が必要です。A群溶血性連鎖球菌といわれる溶連菌は、人の体の中に生息している細菌です。おとなはこの菌に対して免疫を持っていますが、子どもは免疫がないため感染してしまいます。

 A群溶血性連鎖球菌に感染すると全身に発疹が広がることもあり、舌には小さなツブツブができ、「イチゴ舌」といわれる症状がみられます。また、湿疹が出た場合、急性期が過ぎると皮が剥けるという特徴があります。

溶連菌に感染した咽頭炎の治療法

 溶連菌に感染した咽頭炎の治療としては、熱を抑え、喉の痛みをやわらげる飲み薬のほか、抗生物質を服用します。

 熱は2~3日で下がり、喉の痛みもやわらぎます。しかし、そこで薬の服用を止めないようにすることが重要です。完治するまで抗生物質を服用しないと、重大な合併症を引き起こすことがあります。症状が消えても、医師から処方された抗生物質を5~10日間飲み続けなければなりません。

溶連菌感染による咽頭炎の合併症

 A群溶血性連鎖球菌に感染した咽頭炎は悪化する場合が多く、症状が軽くなったからと医師の処方する抗生物質を最後まで服用しないでいると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの重大な合併症を引き起こすことがあります。

 症状が軽く見えても完治しているわけではなく、確実に溶連菌が退治されずにいるため、菌の力が復活し悪さをして合併症を引き起こすのです。

咽頭炎の予防

 子どもが咽頭炎に罹らないように予防するには、子どもはおとなより体力も抵抗力も弱いので、病気の人には近づかせないように心がけましょう。

 また、食事の前や、咳・くしゃみの後には手洗いをさせる、アルコール性消毒薬を使用する習慣をつける、食べ物や食器を共有しないなどが大切です。

 手洗いを習慣づけ清潔に保つことが、咽頭炎ばかりでなく、菌やウイルスの感染による病気を予防するためには重要なことといえます。

 子どもが喉の痛みを訴えるときは、咽頭炎が考えられます。なかでも、溶連菌による咽頭炎は、発熱や頭痛のほか、体に発疹ができる、イチゴ舌になるなどの症状がみられます。治療のための抗生物質をきちんと服用しないと、重大な合併症を引き起こすことになるので注意が必要です。また、赤ちゃんがウイルス感染による咽頭炎に罹ると呼吸困難に陥ることもあるので、「ケン、ケン」という通常とは違った咳をするようなときは、早急に小児科を受診するようにしましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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