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喘息が悪化する要因とは?気をつけるポイント。

 厚生労働科学研究事業研究班によりますと、日本の20歳以上44歳以下の成人において喘息に一時的に罹患している人は9.4%、慢性的に罹患している人は5.4%ということです。つまり、44歳以下の成人の約20人~11人に1人は喘息患者ですので、喘息は決して珍しい病気ではなく、国民的な病気の1つでもあるのです。

 また、喘息は一度罹患すると何度も再発しますので、完治を目指して根気よく治療を続けることも大切ですが、なるべく症状が悪化しないように注意して生活して行くことも大切だと言えるでしょう。喘息症状を悪化させないためにできることをまとめてみました。

喘息症状が悪化する原因

 喘息症状が悪化すると、咳の回数や痰の量が増え、胸が苦しくなったり、嘔吐などが起こったりすることもあります。喘息症状が悪化する原因としては、治療を正しく実施しないこととアレルゲンなどの喘息症状を誘発する因子に触れること、アレルゲン以外の喘息症状を悪化させる因子に触れることが考えられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

原因1:薬物治療を正しく実施しない

 喘息は、乾燥しているときやアレルギーの原因となる物質が少ないときなど、一時的に症状がまったく出てこないことがあります。しかしながら、喘息は再発の可能性が高い疾病ですので、症状が見えないとしても完治したわけでなく、一時的に治まっているだけのことが多いのです。

 そのため、症状が見られないからと言って、処方された吸入薬や内服薬の服用を一時的に中断していると、急に症状が悪化して深刻な咳や気道狭窄が見られることもあるのです。

長期管理薬を医師の指示に従って服用する

 通常、喘息に罹患すると、病院から予防目的の「長期管理薬」と急性発作に対応する「発作治療薬」の2種類の医薬品が処方されます。何も症状が起こらないときであっても、重篤な症状悪化を防ぐために、医師が指示した期間は医師が指示した回数だけ長期管理薬を服用するようにして下さい。

原因2:アレルゲンとなるものを吸いこむ

 特定の物質に対するアレルギーによって、喘息症状が起こっている人も少なくありません。もっとも多いのはハウスダストやダニで、小児喘息の多くはこれらが喘息を引き起こす直接的な原因となっています。症状悪化を防ぐためには、ハウスダストやダニを患者の周囲から極力排除する必要があります。

こまめな掃除と洗濯でアレルゲンを除去する

 ハウスダストやダニを減らすためには、こまめに掃除機をかけ、布団類、特に顔に近い枕をこまめに洗濯することができます。布や毛足の長いものはダニやハウスダストが入り込みやすいですので、できれば家庭内から減らす工夫が求められます。具体的には、次の工夫を取り入れてみて下さい。

  • カーペットを敷かない。
  • 床を畳ではなくフローリングに張り替える。
  • カーテンをブラインドに替える。
  • 枕カバーを毎日替える。
  • 布団を天日干しにする。ただし、取り込むときは花粉などをブラシでしっかりと払う。
  • エアコンのフィルターや送風口をこまめに掃除する。
  • ほこりが溜まらないように、収納家具を使わず、なるべく押し入れやクローゼットにモノを収納するようにする。
  • 防ダニ効果のある布団カバーを使用する。
  • ハウスダスト除去効果のある空気清浄機を使用する。
  • できれば、ペットを室内で飼わないようにする。室内で飼うときはこまめにブラッシングやシャンプーを実施する。

原因3:アレルゲン以外の喘息誘発因子

 喘息のアレルゲンと判断されるもの(ハウスダストやダニ、ペットの毛、花粉など)以外であっても、喘息症状を悪化させることがあります。特に近年はpm2.5に代表される大気中の微小汚染物質などによって、喘息症状が悪化する人が増えています。また、食品添加物や特定の食品、特定の医薬品、ストレス、肥満、運動、タバコの煙を吸い込むこと、アルコール、過労などによっても、喘息症状が悪化することも少なくありません。

喘息誘発因子から身を守るためにできること

 大気汚染による喘息症状を完全に防ぐことは困難ですが、喘息傾向のある人は出かけるときはpm2.5などの微小な汚染物質に対応した防塵タイプのマスクを着用したり、ゴーグル状の眼鏡を装着したりすることである程度は予防することができます。その他の喘息誘発因子を避ける方法としては、次の事柄を挙げられます。

  • 運動の強度を調節する。
  • タバコは吸わない。また、吸っている人の近くにも行かない。
  • 一度でも喘息症状が出たことがある食品は、なるべく避ける。
  • アルコールを飲用することで喘息症状が出たことがある人は、なるべくアルコールを避ける。

喘息と長く付き合っていく方法を見つけよう

 完治しにくい喘息。しかしながら、悪化する原因を知っておくことで、深刻な症状が出ることを避けることは可能です。喘息を上手にコントロールしていきましょう。

参考サイト:
成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育
喘息(ぜんそく)症状の悪化の原因

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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