冬はインフルエンザの季節です。10月になるとインフルエンザの予防接種も始まり、マスクや手洗いなどの予防グッズを購入する人も増えます。
インフルエンザは高熱を伴う感染症ですので、罹患したらとにかく早く行動することが大切です。子供がインフルエンザにかかったらするべきこと、そして、できるだけ早くインフルエンザの兆候を発見する方法についてまとめました。
インフルエンザにかかったときにすべきこと
過程では、高熱が出るかどうかでインフルエンザにかかったかどうか見極めます。子供がぐったりとしているときや大量に発汗しているとき、顔が赤くなってしんどそうにしているときは、とにかく熱を測ってみましょう。38.5℃を下回っているときは、通常の風邪と同じく、汗を拭いて、安静に休ませてください。高熱で水分が奪われていますから、適度に水分を飲ませましょう。
38.5℃以上のときはインフルエンザに罹患している可能性があります。すぐに病院に連れていきましょう。
発症後48時間以内に病院に行こう
インフルエンザに罹患して48時間以内なら、タミフルなどの抗インフルエンザ薬の効果が期待でき、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることができます。熱が高くなってインフルエンザだと思われるときは、なるべくすぐに病院に連れて行き、インフルエンザの検査を受け、陽性ならば抗インフルエンザ薬を処方してもらいましょう。
ただし、インフルエンザを発症してから6時間が経過していないときは、インフルエンザに罹患していても検査上は陽性反応が出ないことがあります。高熱で子供の体力は落ちていますので、二度も病院に行く手間をかけないためにも、6時間経過してから病院に行く方が良いでしょう。
マスクを着用しよう
インフルエンザは感染力が強い病気です。感染した状態で咳き込んだりくしゃみをしたりすると、周囲の人々の体内にインフルエンザウイルスが侵入してしまいます。外出するときはもちろん、家庭内で家族と接するときも、なるべくマスクをかけさせるようにしてください。マスクをすることで周囲への感染が予防できるだけでなく、インフルエンザにかかった子供ののどを乾燥から守ることもできます。
きょうだい内での感染に注意
インフルエンザウイルスに感染した子供にきょうだいがいるときは、きょうだい間で観戦してしまう恐れがあります。部屋を隔離するだけでなく、タオルや食器なども共有することがないようにしましょう。
子供から目を離さないことも重要
インフルエンザが発症したとき、あるいは抗インフルエンザ薬を服用しているときに、突然走り出したり、高いところから飛び降りたりなどの異常行動がみられることがあります。インフルエンザだと診断されたときは、少なくとも2日間は子供から目を離さないようにしてください。
10歳を超えた比較的大きな子供でも、インフルエンザによって異常行動が出ることもあります。できるだけ一人にしないようにし、子供の行動に目を配ってください。
部屋の温度と湿度を調整しよう
インフルエンザにかかった子供が過ごす部屋は、20℃以上の温かさにし、湿度も50%前後にキープするようにしてください。インフルエンザウイルスは、低温かつ乾燥した場所で増殖します。
また、適度に換気することも大切です。1時間に1度は換気し、部屋を清浄に保つようにしましょう。もちろん換気した後は、暖房器具と加湿器を使って、快適な室内環境に整えましょう。
身体を休ませよう
病院でインフルエンザと診断されたら、48時間以内なら抗インフルエンザ薬を処方してインフルエンザウイルスの増殖を抑えることができますが、48時間を超えてしまったときは、自然治癒するのを待つしかありません。体力を温存するためにも、なるべくじっと寝ていることが必要です。
子供によっては「じっとしていられない」「遊びたい」と騒ぐかもしれません。しかし、無駄に体力を消耗してしまうと、治癒までに時間がかかってしまうだけでなく、嘔吐やめまいといった症状が出ることもあります。おとなしく横になるように、できるだけ大人がついていましょう。
高熱が続くときは解熱剤を服用する
38.5℃以上の高熱が続くと、身体から大量の水分が失われ、脱水症状になることもあります。また、高熱によって体力も奪われてしまいますので、治癒までに時間がかかることになります。病院で処方してもらった解熱剤を適切に服用し、適度に熱を下げるようにしてください。なお、市販の解熱剤を服用するときは、かならず薬局の薬剤師に相談し、年齢に応じた適切な薬剤を服用させるようにしましょう。
冷たいタオルや保冷剤で熱を下げる
わきの下や太ももの付け根、首の横筋などの大動脈が皮下すぐを通っている部分を冷やすと、手早く熱を下げることができます。氷水で絞った冷たいタオルやガーゼでくるんだ保冷剤を当て、心地よい程度に熱を下げましょう。
熱を下げすぎるのはNG
少しでも子供を早く楽にしてあげたいとの思いから、解熱剤を高熱が出る前に服用させたり、わきの下や首筋などを何度も冷やす親御さんも少なくありません。しかし、高熱が出ることで体内のインフルエンザウイルスを撃退しているのですから、ある程度は熱にゆだねることも大切です。
解熱よりも水分補給
38.5℃以上の高熱以外は、特別な症状がみられない限り解熱をする必要はありません。しかし、水分補給はどんな場合でもこまめに行わなくてはいけません。また、インフルエンザ発症中は消化力も衰えてしまいますので、水や麦茶ばかりではなく、身体に必要なミネラルが入ったイオン飲料などを飲ませるようにしてください。
ただし、体調によっては水分も受け付けられなくなっているときがあります。水分補給する度に嘔吐する場合や下痢が続くときは、水分と栄養分を補給するために病院で点滴をする必要も生じます。子供の様子を観察し、水分が受け付けられなくなっているときは、早めに医療機関に連れていきましょう。
インフルエンザの兆候は?
インフルエンザにかかっているときは、高熱以外にもいくつかの症状が出ることがあります。次の兆候が見られたら、インフルエンザを疑ってみましょう。
悪寒
高熱が出る前に悪寒を感じることもあります。子供の顔が青っぽくなったり、背中を丸めていたりするときは、熱を測ってみましょう。38.5℃未満の場合でもすぐに上昇する可能性もありますので、こまめに熱を測り、安静にさせてください。
目の充血
インフルエンザ罹患時に目が充血する子供も少なくありません。目が赤っぽいときも、早めに熱を測って、安静にさせましょう。
のどの腫れ・赤み
インフルエンザに罹患すると、のどが腫れたり赤みが強くなったりすることがあります。しんどそうにしているときは、のどを見せてもらいましょう。大きく口を開けるときにのどの痛みを訴えるときも、インフルエンザの恐れがあります。早めに熱を測り、安静にさせてください。
適切なタイミングで病院に連れて行こう
インフルエンザにかかったら、6~48時間の間なら抗インフルエンザ薬でウイルス増殖を抑えることができます。しかし、それ以外のタイミングでは特効薬はありませんので、充分な休養をとり、水分補給と加湿に注意するしかありません。子供をしっかりと観察し、適切なタイミングで病院に連れていきましょう。