子供が突然発熱することは珍しくありませんが、だからと言って放っておくのは危険です。早めに原因を突き止め、早めに対処することで、病気が重症化することを防げます。子供が突然発熱したときにチェックするべきポイントと家庭で実施するべき対処策、発熱の原因として考えられる病気について解説いたします。
発熱したらチェックすべき3つのポイント
平熱よりも1度以上高いときを「発熱した」と表現しますが、大抵は一時的な体温上昇と考えられますので、過度に心配する必要はありません。しかしながら、重大な病気が原因となっていることもあります。発熱したときは次の3つのポイントをチェックして、異常があると判断したときは早めに病院に連れていくようにしましょう。
子供の機嫌は悪くないか
発熱していても子供が機嫌よく過ごしていれば、そのまま自宅で見守っていても大丈夫です。ただし、機嫌良く過ごしていても、3日以上高熱が続くときは病院を受診して詳しく調べてもらうようにしましょう。
熱以外の症状があるか
出ている症状が高熱だけなら、重篤な病気である可能性は低いと考えられます。咳や嘔吐、ジンマシンなどの症状がなければ、そのまま自宅で様子を見守りましょう。ただし、熱以外の症状がなくても、3日以上高熱が続くときは病院の診察を受けて下さい。
手足は冷たくなっていないか
手足が冷たいときは、さらに熱が高くなっていくことが予想されます。子供は悪寒を感じているはずですので、身体を冷やさないように重ね着をさせたり室温を少し高くしたりして温度調整をして下さい。手足が暖かくなると、今度は汗を大量にかきはじめます。こまめに下着を替えたり汗を拭いたりして、汗によって身体を冷やしてしまうことがないようにしてください。
発熱したときに実施すべき3つの対処策
発熱したときは、次の3つのことに注意しましょう。
子供を不安にさせない
親が不安になっておろおろしてしまうと、子供まで不安になってしまいます。子供を不安にさせないように、笑顔で「大丈夫だよ」「もう少しすれば楽になるよ」と声掛けするようにしましょう。
水分を充分に補給させる
汗を大量にかくと脱水症状を引き起こすこともあります。発熱中はとにかく水分をしっかりと補給させるようにしましょう。また、おっぱいやミルクを飲んでいる赤ちゃんは、欲しがるだけおっぱいやミルクを飲ませるようにしてください。離乳食や普通の食事を食べている子供は、麦茶などの飲みやすいものを積極的に飲ませるようにしてください。
冷暖房と衣服で温度を調整する
熱が上がっているときは悪寒を感じますし、熱が上がり切ってしまうと発汗が始まります。子供の様子をしっかりと観察して、冷暖房や衣服で子供にとってもっとも快適な温度に調整するようにしてください。
突然の発熱で考えられる病気
子供の突発的な発熱は、次の3つが原因となっていることが多いです。
ウイルスによる感染症
子供の発熱の原因のほとんどが、ウイルスによる感染症です。乳児の頃は「突発性発熱」と呼ばれるウイルス性の感染症にかかりやすく、2~3日の高熱の後に発疹が全身に表れることがあります。高熱が続いているときは、けいれんが起こることもあります。
また、はしかや水ぼうそう、アデノウイルス、溶連菌、ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによる夏風邪の一種)、インフルエンザなども、子供が突発的に発熱したときに疑うことができるウイルス性の感染症です。はしかや水ぼうそうなど、予防接種によって防げる病気もありますので、適切な時期に予防接種を受けるようにしましょう。
熱中症・脱水症状
暑い場所に長時間いたり、水分補給が不足したりすると、熱中症や脱水症状になることもあります。熱中症や脱水症状になると高熱が出ることもありますので、普段から水分補給を気にかけるようにしてください。特に夏は外出時にはかならず水筒を持ち歩き、こまめに水分を補給するようにしましょう。
アレルギー
特定の食べ物などによるアレルギーによって、発熱することもあります。子供がいつも同じものを口にしたときに発熱やジンマシン、皮膚の赤みなどの症状が表れるのなら、その食べ物をアレルゲンとするアレルギー体質の可能性が高いです。耳鼻咽喉科や皮膚科、アレルギー科などで一度詳しく検査を受けて見ることをおすすめします。
解熱剤は安易に使わない!不安なときはすぐに受診を
子供の熱が高いと、「早く熱を下げること」だけを考え、市販の解熱剤や以前病院で処方された解熱剤を子供に服用させたくなりますよね。しかしながら、解熱剤を使ってしまうと、症状が軽くなって熱が下がったのか解熱剤によって熱が下がったのかが分からなくなってしまいます。まずは子供の様子をしっかりとチェックして、問題があると考えられるときは迅速に病院に連れていくようにしてください。