子供はちょっとしたことですぐに熱を出します。38度以上の高熱が出ることもありますので、親としては「なんとか少しでも早く熱を下げてあげたい」と願いますよね。では、高熱が出たときは市販の解熱剤を早く飲ませる方が良いのでしょうか。また、以前別の病気のときに病院で処方された解熱剤を飲ませるのならOKなのでしょうか。子供が熱を出したときの対処法について解説いたします。
すぐに解熱剤を飲ませるのはNG!まずは様子を観察しよう
子供が熱を出したとしても、すぐに解熱剤を飲ませることはおすすめできません。「発熱」という症状を押さえてしまうと、熱の原因が何かを突きとめることができなくなりますので、重篤な病気の場合なら治療開始を遅らせてしまうことにもなるからです。
発熱は身体の防御反応
発熱自体は、子供の身体にとって悪いものと言い切ることはできません。ウイルスや細菌に感染して発熱している場合、熱を出すことによってウイルスや細菌の働きを押さえているわけでもありますから、むやみに解熱剤を服用させて熱を押さえてしまうと、ウイルスや細菌の活動を活性化してしまうことにもなります。ただし、38度以上の高熱が3日以上続くことは、子供の体力を著しく消耗してしまうことになりますので、病院に連れて行って適切な処置を受けるようにしてください。
発熱は病気の原因ではない!
発熱は、あくまでも病気の1つの症状です。そのため、熱を解熱剤によって一時的に抑えたとしても、病気の根本的な改善にはつながらないのです。熱を下げることよりも子供の様子をしっかりと観察すること、そして、高熱が続くときは病院に早めに連れて行くことが大切なのです。
解熱剤より水分補給
発熱によって子供の身体から大量の水分が失われていきます。子供は身体が小さいため、少し水分が不足するだけでも脱水症状を起こしてしまいます。こまめに熱を測ることも大切ですが、それ以上にこまめに水分を補給することも大切です。母乳育児やミルク育児の赤ちゃんは欲しがるだけ母乳やミルクを与え、合間に麦茶などの子供が慣れている飲料を与えるようにして下さい。
汗で身体を冷やさないように注意!
発熱すると全身から大量の汗をかきます。汗で身体を冷やしてしまうと新たに風邪をひく原因になってしまうこともありますので、こまめに汗を拭いたり、下着を替えたりするようにしましょう。
解熱が必要だと思われるときは病院へ
40度近い熱が出ているときや38度以上の高熱が3日以上続くときなど、今すぐにも解熱が必要だと判断されるときは、病院で診察をしてもらってから子供に適した解熱剤を処方してもらうようにしましょう。ただし、熱が続くからと言って救急外来に出向く必要はありません。嘔吐や下痢などの他の深刻な症状が見られるのではないのなら、こまめに水分補給することと汗を拭くことに注意して、朝になるまで待ちましょう。
熱の原因は毎回異なる!前回の解熱剤をそのまま使用しない
子供が以前熱を出したときに病院で診てもらい、解熱剤を処方してもらった場合、まだ服用していない解熱剤が残っているかもしれません。解熱剤を処方してもらってからあまり日数が経っておらず、以前発熱したときとまったく同じ症状が見られるとしても、その解熱剤は服用しないでください。
まったく同じ症状に見えても、原因が異なる可能性があります。まずは病院で診察を受け、適切な解熱剤を処方してもらうようにしてください。万が一、そのとき処方された解熱剤が残っている解熱剤(消費期限内)と同じときは、その旨を病院で伝えるようにしましょう。医師の判断によっては、以前の解熱剤を使用できるかもしれません。ただし、解熱剤を適切な方法で保管していなかったときは、消費期限内であっても成分が変化している可能性がありますので、服用しないですぐに破棄するようにしてください。
子供が発熱したときのホームケア
解熱剤を使わなくても、子供が快適に過ごせるように工夫することはできます。冷たい水を入れた氷嚢(氷は入れない)を首筋や脇の下に当てると、子供が気分良く過ごせることもあります。使い捨ての保冷シートをおでこに当てることも、あまり熱を下げる効果は期待できませんが、子供が心地よく感じることもありますので試してみて下さい。
発熱したときは経過観察と水分補給!
子供が発熱したときは、とにかく子供の様子をしっかりと観察し、熱以外の症状が出ていないか、また、汗で身体を冷やしていないか注意をしてください。そして、こまめに水分補給をし、子供が脱水症状に陥ることがないようにしてください。
解熱剤を使うことは熱という症状を抑えるだけで、病気の根本的な治療にはなりません。発熱以外の症状が見られるときや発熱が3日以上続くときには病院に連れていき、専門的な治療を受けるようにしましょう。
参考サイト:
子どもの発熱と解熱剤について
子どもの急病対応の知識