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子宮頸がんワクチンの真実。費用や副作用、その効果とは?

 子宮頸部にできるガン、子宮頸がん。ワクチンによって予防することが可能です。子宮頸がんワクチンにかかる費用や副作用、効果等の知っておくべきことをまとめました。

子宮頸がんとは

 子宮頸がんとは、子宮の頸部(膣からの入り口部分)に生じるガンです。ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した状態が長期間続くと、子宮頸がんになると考えられています。

子宮頸がんの症状

 子宮頸がんに罹患しても、初期にはほとんど自覚症状はありません。しかし、ガンが進行すると、出血したりおりものが増えたりするといった症状が見られるようになります。さらに進行すると足や腰ににぶい痛みを感じたり、血尿が出たりすることもあります。他のガンと同様、発見が早ければ早いほど完治する可能性も高まりますので、早めに発見することが重要です。

子宮頸がんのリスクと予防法

 子宮頸がんに罹患する女性は、20代後半から徐々に増えていき、40代以降はほぼ横ばいになります。子宮頸がんワクチンを接種するなら、できれば子宮頸がんに罹患するリスクが高くなる20代後半までが良いでしょう。

ヒトパピローマウイルスの予防

 子宮頸がんに罹患している女性の90%以上は、ヒトパピローマウイルスに感染していることが分かっています。そのため、ヒトパピローマウイルスの感染を予防することで、子宮頸がんの罹患も予防することが期待できます。

 もちろん、ヒトパピローマウイルスに感染したらかならず子宮頸がんに罹患するわけではありません。子宮頸がんの患者以外の女性の10~20%はヒトパピローマウイルスに感染していますし、万が一、感染したとしてもほとんどは2年以内にヒトパピローマウイルスが自然排出され、感染状態から解放されます。

子宮頸がんの検診を受診する

 厚生労働省では、20歳以上の女性に対して、2年に1回は子宮頸がん検診を受診するように勧めています。こまめに検診を受けて子宮頸がんの早期発見に努めましょう。

子宮頸がんワクチンを接種する

 子宮頸がんワクチンを接種することで、子宮頸がんの罹患を予防することもできます。法で定められた標準的な接種方法は、中学一年生のときに第一回目の接種を受け、1~2ヶ月後に第二回目の接種、6ヶ月後に第三回目の接種を受けます。かならずお住まいの自治体に問い合わせ、適切な時期に接種できるように確認しておきましょう。

子宮頸がんワクチンの実施状況と費用

 子宮頸がんワクチンの接種事業は、自治体単位で実施しています。任意接種ですので、無料ですべての女性が摂取できるわけではありません。お住まいの地域に問い合わせて、リスクを十分に把握した上で、適正な時期に接種するようにしてください。

自己負担のときは総額50,000円ほどかかる

 子宮頸がんワクチン接種費用は、ワクチンを接種する医療機関(自治体の指定医療機関)によって異なります。1回あたり15,000円前後のことが多いですが、子宮頸がんワクチンは3回接種することになっていますので、すべてを自費で負担するときは合計45,000円前後の費用がかかります。

 また、医療機関によっては子宮頸がんワクチン費以外にカウンセリング料や初期費用などの追加費用を請求されることもあります。これらの追加費用も医療機関によって異なりますが、3,000~10,000円の間で設定されていることが多いです。

自治体の条件に合うときはワクチン費の補助を受けられる

 自治体によっては、子宮頸がんワクチンの補助を出していることもあります。自治体内に居住し、なおかつ特定の年齢に該当する女性は、無料~一部負担で子宮頸がんワクチンを接種することが可能です。ただし、子宮頸がんワクチン費は自治体の助成が適用されても、カウンセリング料などの追加費用は助成制度が適用されないことが多いです。

子宮頸がんワクチンの効果と副作用

 子宮頸がんワクチンを接種すると、子宮頸がん全体の5~7割の原因物質とされるヒトパピローマウイルス16型と18型の発生を9割ほど抑えることができると報告されています。効果は非常に高いと言える子宮頸がんワクチンですが、次のような副作用もあるので注意が必要です。

痛みや腫れ

 注射部位に痛みや腫れが生じることもあります。また、腹部や関節、頭部に痛みを抱える人もいます。これらの腫れや痛みは、子宮頸がんワクチンを接種した人の1割以上に見られます。

アナフィラキシーショック等

 稀にアナフィラキシーショックなどの深刻な副作用が見られることもあります。頻度は決して高くはありませんが、ショック状態を起こしやすい人は接種前にかならず医師に相談してください。

予防接種と検診の両方が必要

 子宮頸がんワクチンを接種することで、ヒトパピローマウイルスの16型と18型の発生を抑制することができます。しかし、他の型のヒトパピローマウイルス発生は予防できませんので、定期的に子宮頸がん検診を受けることで早期発見し、早期治療を開始するようにしてください。

参考サイト:
厚生労働省「子宮頸がん予防ワクチンQ&A」

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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