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川崎病とは?その症状と対処方法。

 乳幼児期にかかることが多い「川崎病」。近年、患者数が増加気味にある病気の1つです。1967年に川崎富作博士が発表した「急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群」が新しい病気であることが分かったため、博士の名前をとって「川崎病」と呼ばれるようになりました。川崎病の症状と川崎病にかかったときの対処方法について解説いたします。

川崎病とは?

 川崎病とは主に乳幼児に見られる病気で、原因はまだ分かっていません。38度以上の高熱が数日間続き、手指や足指の先端部から皮膚が剥けてしまうこともあります。麻疹や水疱瘡などのウイルス性の感染症は、一度感染すると再度感染する可能性は非常に低くなりますが、川崎病はウイルス性の感染症ではありませんので、一度感染しても2~3%の確率で再感染します。

 また、感染症ではありませんので、川崎病にかかった子供と一緒に過ごしても感染することはありません。しかしながら、きょうだいの場合は1~2%の確率で一緒に感染することがありますので注意が必要です。

川崎病の症状

 次のような症状が見られるときは、川崎病にかかっている可能性が考えられます。早めに病院に行き、適切な処置を受けるようにして下さい。

高熱が5日以上続く

 川崎病にかかると、38度以上の高熱が5日以上続くことがあります。子供はしばしば熱を出しますので発熱したからといって慌てる必要はありませんが、38度以上の高熱が3日以上続くときは重篤な病気にかかっている可能性もありますし、軽い病気から重篤な合併症になることもありますので、かならず病院で詳しく診てもらうようにしてください。

発疹が見られる

 発疹が見られる病気は麻疹や水疱瘡などたくさんありますが、川崎病の場合は形や大きさが不ぞろいのことが多いです。また、手足や顔よりは、お腹や背中などの体幹部分に発疹が見られるケースが多いです。

手足の指先の腫れやリンパ腺の腫れ

 手足の指先が腫れたり、首などのリンパ腺が腫れたりすることもあります。腫れが治まると手指や足指の皮がむけることもあります。

唇や舌が赤くなる

 唇や舌が赤くなることもあります。唇が腫れたり、ひび割れたり、場合によっては出血することもあります。また、舌が単に赤く腫れるだけでなく、ブツブツとした突起が生じて「イチゴ舌」と呼ばれる状態になることもあります。

川崎病にかかることで冠動脈障害になることも

 川崎病は全身の血管に炎症が起こる病気です。高熱は解熱剤で抑えることができますが、炎症そのものが他の症状を起こすことを止めることはできません。

 川崎病にかかった人の約3%は「冠動脈」に何らかの症状が現れます。場合によっては冠動脈にコブ(冠動脈瘤)が発生しまうこともあり、心筋梗塞などの生命を左右しかねない重篤な病気に進展することもあります。

冠動脈瘤が消滅することもある

 川崎病の症状が悪化したときに冠動脈瘤が発生しても、数ヶ月で自然に消滅することもあります。そのようなケースでは、川崎病による血管炎症が治まると、冠動脈の太さも元に戻り、以後の健康に影響を与えることはありません。

自然消滅しないときは

 すべての冠動脈瘤が、自然消滅するわけではありません。数ヶ月で自然消滅しない場合には、冠動脈瘤が徐々に小さくなるか冠動脈瘤がそのまま残るかのどちらかとなります。冠動脈瘤が残ってしまうと、血管が狭まり、心筋梗塞などが起こります。川崎病を原因とする心筋梗塞は川崎病発症後1年半以内に起こることが多いですが、数年経ってから起こることもありますので長期的に経過観察する必要があります。

川崎病が疑われるときの対処法

 川崎病で見られる症状のうちのいくつかが見られるときは、早めに病院で詳しく診てもらい、熱を下げるなどの処置を行ってもらうようにしましょう。特に38度以上の高熱が5日以上続くときは、他の症状が見られなくても病院に行ってください。

解熱剤の使用はかならず病院で診察を受けてから

 川崎病はとにかく早くに診察を受け、早期に治療を受けて炎症を抑えることが大切です。ですが、「この症状は川崎病に違いない」と自己判断して病院に行く前に解熱剤を服用させてしまうと、病院で子供の状態を適切に診断できなくなってしまったり、高熱以外の症状に目が向かなくなってしまったりすることがあります。

 まずは病院で適切な診断を受けること。そして、病院で処方してもらった医薬品で治療を実施することが大切なのです。

早めの処置で重症化を防ごう!

 川崎病は決して軽く見て良い病気ではありません。対症療法によって症状が治まったとしても、冠動脈瘤が発生している可能性がありますので気が抜けません。川崎病は原因が解明されていない病気ですので予防することはできませんが、早めに病院で適切な処置を受けることで炎症が悪化することを予防することはできます。気になる症状が見られたら、とにかく早く病院に行くようにしてください。

参考サイト:
川崎病のはなし | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
急増する川崎病 ―病と戦う子どもたち― NHK福祉ポータル ハートネット

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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