こまめに水を飲みさえすれば、熱中症に絶対にかからないのではありません。熱中症になったときに症状を改善するために必要なこと、また、熱中症を予防するために知っておくべきことをまとめました。
熱中症対策1:水分だけでなく適度な塩分を補給する
汗で失われるのは、水分だけではありません。汗に含まれる塩分も体内から失われていますので、水分に加えて塩分もしっかりと補給していきましょう。スポーツ飲料などの熱中症対策に適した飲用水は、身体の塩分濃度に合わせた塩分が含まれています。立ちくらみやめまい、過剰な喉の渇きなどの熱中症の症状が出たときは、単に水だけを飲むのではなく、塩分が入った飲料を飲むようにしてください。
ゆっくりと時間をかけて水分を摂取しよう
熱中症の症状が出たときは、水分を急に摂取しても体内にスムーズに吸収されません。返って、熱が急上昇してしまう原因にもなりますので、かならずゆっくりと時間をかけて水分を取るようにしてください。
熱中症対策2:規則正しい生活で体調を整える
熱中症を予防するためにも、普段から体力をつけておくことが大切です。規則正しい生活を送り、充分に睡眠を取って体調を整えておきましょう。特に夏は部屋が暑いと熟睡ができず、睡眠時間は変わっていないつもりでも、身体がなんとなくだるく感じることもあります。寝苦しい夜はエアコンを使い、体力を必要以上に消耗しないように注意しましょう。
栄養バランスの良い食事をしっかりと摂る
夏は、つい食事も簡単なものになってしまいがちです。麺類やパンといった炭水化物だけで食事を済ますと、身体に必要な栄養分をしっかりと摂ることができません。野菜や肉、豆類、魚類、海藻類もまんべんなく食べ、ミネラルやビタミン、その他の栄養素が不足することがないように心がけましょう。
熱中症対策3:日傘や帽子を使い、直射日光を避ける
直射日光に当たると、体温が上昇し、熱中症にかかりやすくなってしまいます。日陰を歩くように意識するだけでなく、日傘や帽子などを使ってなるべく直射日光に当たらないように工夫して下さい。
体温が上がったときは局所的に身体を冷やそう
屋外に長時間いると、直射日光に当たらないようにしていても体温が高くなってしまうことがあります。身体に火照りを感じたら、首の両サイドや太ももの付け根、脇の下などの皮膚の近くに太い血管(大静脈)が通っている場所を局所的に冷やし、効果的に体温を下げるようにしてください。
熱中症予防グッズを効果的に使用する
冷却シートや氷枕などの、手軽に身体を冷やせるグッズも積極的に活用しましょう。ただし、冷水で絞ったタオルやハンカチを、長時間身体に当てることはあまりおすすめできません。水分が皮膚に触れて蒸発するときに気化熱を発しますので、身体を冷やすどころか火照らせてしまうこともあるからです。
また、水分が蒸発するときに、皮膚の水分も一緒に蒸発させてしまい、肌を乾燥させてしまうこともあります。特に敏感肌やアトピー性皮膚炎の人、乾燥肌の人は、濡れたタオルなどを長時間身体に当てないようにしてください。
熱中症対策4:冷房を我慢しない
熱中症対策のためにも、暑いときは冷房を我慢せずに使いましょう。とはいえ、あまりにも部屋を冷却し過ぎると、風邪をひいたり、体調が悪くなったりする原因となってしまいます。日差しにもよりますが、できればエアコンの温度を26~28度程度に設定し、寒くなりすぎないようにしてください。
就寝時もエアコンは必須
熱帯夜が続くと、エアコンなしには眠れないという人も多いでしょう。熟睡するためにもエアコンをつけた部屋で眠ることは良いことなのですが、エアコンをつけるときは部屋を閉め切りますので、タイマーが切れてしまった後は部屋が異常に暑くなってしまうというリスクがあります。
冷えすぎ防止のためにも、日中よりは1~2度ほど高めに温度を設定し、タイマーをつけずに就寝することをおすすめします。夜中に何度もエアコンをつけたり消したりするよりは、電気代の節約にもなるでしょう。
エアコンをつけるときは乾燥にも注意しよう
エアコンを長時間つけると、室内の湿度が極端に低くなることがあります。部屋が乾燥すると喉を傷めてしまいますので、部屋が乾燥しすぎないように適度に換気するようにしてください。
また、長時間エアコンを使うときは、加湿器を併用することもおすすめです。部屋の温度が充分に冷えてから、加湿器をセットして、部屋の湿度が40%を下回らないようにコントロールしましょう。
正しい知識で酷暑を乗り切ろう
暑さを我慢しても何も良いことはありません。体調を崩して、熱中症にかかってしまうだけです。適度に水分や塩分を補給し、適度にエアコンを使い、熱中症を予防する正しい知識を身につけて実践していきましょう。