うちの子どもは落ち着きがない。ひょっとしてADHDなの?と心配になることがあります。小さい頃は、きちんと話が聞けない、落ち着きが無いというのはよく耳にすることです。しかし、周囲の子よりもそれらの行動が激しい場合はADHD(注意欠如・多動性障害)も考えられます。では、ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状はどのような特徴があるのでしょうか。また、ADHDだと判断するにはどのような方法があるのでしょうか。ADHDについてまとめてみました。
ADHD(注意欠如・多動性障害)とは
ADHDは、英語の診断名「attention deficit hyperactivity disorder」の略で、不注意、多動性、衝動性などの症状を特徴とする、幼児期に現れる発達障害のことです。
日本での診断名は「注意欠如・多動性障害」といいますが、2014年に改名されるまでは「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれ、今も多く使われています。
子どもの障害とされてきましたが、近年、成人してからADHDを指摘される例も増えてきています。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の主な特徴
ADHDの症状は、不注意、多動性、衝動性の3つになります。
症状の特徴「不注意」
- 集中力が続かない、集中しづらい
- 自分の興味のあることは集中し過ぎて切り替えが効かない
- 整理整頓が苦手
- 気が散りやすい
- 忘れ物が多い
症状の特徴「多動性」
- 落ち着きがない
- じっとしているのが苦手
- おしゃべりが過ぎる
症状の特徴「衝動性」
- 状況を考えず、すぐに発言してしまう
- 順番を待つのが苦手
- 他の人がやったり言ったりすることを遮って自分でしてしまう
ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状の現れ方
先の項で述べたように、ADHDには3つの特徴的な症状がありますが、その現れ方は子どもによってさまざまで、多動性・衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型の3つのタイプに分類されます。
多動性・衝動性優勢型
多動性と衝動性の症状が目立つタイプです。
- 落ち着きがなく、じっと座っていられない、授業中でも歩き回る、体を動かしてしまう
- 衝動を抑えることができず、大声をあげたり手を出してしまう
- 衝動的に不適切な発言、反抗的にみえる行動をしてしまう
- 自分のことばかり話す
不注意優勢型
不注意が目立つタイプです。幼児の頃は、忘れ物が多い子どもが少なくないため、ADHDと気付かれにくいという特徴もあります。
- 忘れ物が多い
- 集中力がなく、気が散りやすい
- 好きなこと、興味のあることに対しては過度に集中して切り替えができない
- ボーっとしていて、人の話を聞いていないように見える
- 他の子どもよりワンテンポ行動が遅れる
- 不器用
- 片付けや整理整頓が苦手
混合型
上述の「多動性・衝動性優勢型」と「不注意優勢型」の症状がみられるタイプです。このタイプは早期発見されやすく、反面、アスペルガー障害との区別がつきにくいという点もあります。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の判断方法
発達障害かどうかの判断は、最終的には専門医が診断を下します。医療機関や相談窓口で相談する際に持参すると、医師の診断の参考になるチェックシートがあります。子どもの日常生活をチェック項目にそってチェックしてみてください。
チェックの結果、該当項目が多いようでしたら、一度、無料の相談窓口や専門医に相談してみましょう。
<ADHDチェック項目>
- 朝、すぐにベッドから起きることができるか
- 洗顔や歯磨き、着替えなどの朝の身だしなみを整えることができるか
- 朝食時に、年齢相応の行動ができるか
- 朝の登校前に、兄弟や家族とトラブルなく過ごせるか
- 学校へ行くのは好きか
- 授業中、他の子どもと同じように行動できるか
- 学校での友達はいるか
- 学校での出来事を保護者に伝えられるか
- 同年代の友達はいるか
- 同年代の子どもと一緒に、スポーツなどの課外活動に自信を持って参加できるか
- 問題なく宿題ができるか
- 家族と言い争うことなく生活を送ることができているか
- 夕食時、落ち着いて会話ができるか
- 保護者は、外出時などに安心して一緒に行動できるか
- (12歳未満の子供の場合)夜、親の指示に従ったり、寝る前に読み聞かせなどができるか
- 夜中に目覚めることなく眠れているか
- 自信があり、情緒が安定しているか
- 混乱、言い争い、反抗的行動などなく過ごす日は多いか
子どもがまだ小さい場合は、ADHDなのかどうか判断に苦しむところかと思います。子どもがADHDなのではと不安に思うようでしたら、専門医を受診しましょう。もし、医療機関に行くことが難しい場合は、子育て支援センターや発達障害者支援センターなどで相談することをおすすめします。自分だけで不安を抱え込まないようにすることが子どものためにも大切なことといえます。