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オーガニックコットンを選ぶべき理由と世界に撒かれる農薬の恐怖

 食べ物は直接身体に入るものですから、「農薬は使われているのか?」「どのような畑で作られているのか?」といったことを厳しくチェックするのは珍しいことではありません。実際に、オーガニックの野菜や畜産物にこだわり、「オーガニック」や「有機野菜」と表示されたものしか口にしたくないと考える人もたくさんいるのです。

 では、身体の中に入る食べ物や飲み物だけに注意すれば、農薬や化学肥料とは無縁の生活を送れるのでしょうか?オーガニックコットンを選ぶべき理由と農薬の恐怖について解説してまいります!

オーガニックコットンとは

 オーガニックコットンとは、オーガニックの認証を行う機関(国際的な認証機関OCIAや国ごとの認証機関CERES等があります)で認定を受けた土地で、農薬や化学肥料に関する厳しい基準を満たして育てられる綿花のことです。また、綿花から製品化される際も、紡績や染色、縫製などの各工程において、それぞれのオーガニック認証機関の基準を満たす必要があります。これらのすべての条件を満たした商品だけが、オーガニックコットンと呼ばれます。

労働環境についての条件が加わることもある

 農薬を使わないことや農薬を使った土地で育てていないこと等の栽培・製造過程における一定の条件を満たせば「オーガニックコットン」と呼ぶことができます。しかし、認証機関によっては、栽培・製造過程における条件だけでなく、労働者の環境もオーガニックコットンの基準に含めることがあります。

 例えば、綿花を育てる際に労働者の安全が充分に守られているのかといった点や労働者として児童を雇っていないかといった点などが、オーガニックコットンとして認定を受けるための条件の1つになることがあるのです。

農薬を大量使用しがちな綿花の栽培

 世界の耕作地の中で、綿花が占める割合は約2.5%です。しかしながら、世界で使われている農薬の約7%、殺虫剤の約16%が綿花栽培に使用されていると言われています。綿花は直接口に入るものではありませんが、だからと言ってこのように過剰に農薬や殺虫剤を使用するのは身体に良いこととは言えないでしょう。

 また、アメリカの環境保護庁(EPA:Environmental Protection Association)では、綿花栽培に使用されている農薬のうち、少なくとも10種類には発がん性があることを認めています。このことからも、食品に比べて綿花の安全性の基準は高いとは言えず、栽培業者や製造者の安全性に対する意識も高くないと言えるのです。

摘み取り作業を楽にするための枯葉剤

 綿花を収穫する際、綿花の葉っぱが混ざってしまうと、葉っぱの色が綿花について製品の価値が下がってしまいます。そこで、アメリカ等の広大な綿花畑では、摘み取り作業をする前に枯葉剤を上空から散布して、綿花の葉っぱだけを枯らしてしまいます。綿花の葉っぱだけが枯れてしまうと、綿花と葉っぱの分離が簡単になり、コットンの製品価値を落としてしまうリスクを減らせるからです。

綿花からコットン製品に加工するときに使用する化学薬品

 綿花の元々の色は、うっすらと茶色がかったアイボリーです。ですが、真っ白なコットン製品を作りたいときや染料の発色をよくしたいときは、綿花を加工する過程で化学的な漂白剤を大量投入することがあります。少量で驚くほど白くなる塩素系の漂白剤なども、綿花の漂白剤として用いられています。

消費者の健康も大切だが生産者の健康や労働環境も大切!

 綿花は、農薬などの有害な成分が製品中に残りにくい農産物です。そのため、農薬を使った土地で殺虫剤や化学肥料を使って栽培しても、野菜や果物などの身体に入れる作物に比べると健康被害は出にくいとされています。しかしながら、商品化の過程で大量の農薬や殺虫剤などの有害なものを使用していると、生産者の身体に健康被害を与えてしまう可能性があります。

 実際に、枯葉剤の散布はヘリコプターなどを通して行いますので、散布の際には生産者の手に枯葉剤などの有害物質が直接触れることはないかもしれません。しかし、摘み取り作業をする人や選別作業・出荷作業をする人の身体には確実に触れますし、散布したときに風に乗って近隣の人々や動物たち、植物、土地の中に入り込み、健康をむしばむことは否定できないのです。

農薬や殺虫剤を散布する農作物は多い

 栽培の過程において、農薬や殺虫剤を空中散布する農作物は綿花だけではありません。ありとあらゆる大量生産の農産物が、農薬や殺虫剤が撒かれて成長しているのです。農産物を通して農薬等の有害物質を体内に入れることもありますが、空気を通して農薬等の有害物質が身体に入り込むこともあるのです。

すべての人の健康を守るためにもオーガニックを選ぼう

 オーガニックコットンを利用することは、消費者の健康を守ることだけを意味するのではありません。農薬や殺虫剤の使用を否定することで、生産者の健康や生産者の労働環境を守ることにも繋がるのです。

参考サイト:
オーガニックコットンとは
どうしてオーガニックコットン
オーガニックコットンを選ぶ理由を探して 〜インド・コットンスタディーツアーに参加して

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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