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オーガニックビーフが作られるまで。どこがオーガニックなの?

 農林水産省では、農産物と畜産物、加工食品、飼料の4つのカテゴリーに属する商品について「オーガニック」の基準を定めています。オーガニックビーフとはどのような基準を満たして作られるのか、また、選ぶ際のポイントについて解説します。

オーガニックビーフとは

 農林水産省が定めたオーガニック基準を満たす牛肉を、オーガニックビーフと言います。オーガニックビーフを名乗るためには、畜舎の環境や飼料、健康管理、畜産物になってからの管理法などにおいて細かな基準が定められています。

畜舎の環境

 適切な温度と湿度が保たれていること。また、風通りがよく、必要に応じて換気をし、採光が十分にある畜舎で育てられていることが条件になります。それに加えて頭数に応じた一定以上の広さと床、壁の構造・状態をキープし、肉牛にストレスを与えない環境を作らなくてはなりません。畜舎の周りに木や建物を配置し、畜舎に住む肉牛が風雨を快適に回避できるように配慮します。

 また、衛生管理も重視されますが、特に清掃時の薬剤もチェックされます。肉牛の体に良くない影響を与える薬剤は、たとえ清掃目的であっても使用してはいけません。

肉牛の親世代

 肉牛そのものだけでなく、親世代の飼養環境も問われます。母親が6ヶ月以上有機飼料で育っている場合、あるいは出生時から有機飼料で育っている場合のみ、その子がオーガニックビーフに認定される可能性があります。

飼料

 粗飼料においては、生草や乾草、サイレージの比率が規定されています。また、主たる飼料も、有機JAS品でなくてはいけません。自家飼料を使用するときは、有機JAS品を基準に従って配合した牧草などの農産物である必要があります。ミネラル補給の目的で従たる飼料を使うときは、魚粉や藻類、酵素、微生物などの自然由来の成分でなくてはいけません。

 ただし、生育に応じて飼料の例外が認められることがあります。哺乳期間中は母乳を飲むことも可能ですし、有機畜産飼料の入手が困難なときは適切な措置を取ることも可能です。

健康管理

 疾病罹患を予防する目的に耐えうる飼育管理をすることが基本です。万が一、疾病に罹患したときは迅速に治療し、必要以上に苦しむことがないように治療や処置を実施します。健康を増進させる目的で飼料以外の物質を与えることは成分によっては認められていますが、成長を必要以上に促す目的の物質投与は禁じられています。

一般的な管理

 悪天候時や飼養期間以外などの例外を除き、肉牛が野外飼育場に自由に出入りできるような環境を整備しなくてはいけません。また、除角や去勢などの目的以外で肉牛を必要以上に傷つけること、受精卵移植や組み換えDNA技術、ホルモン利用を用いた繁殖行為も認められていません。

 肉牛の排泄物も、適切に処理しなくてはいけません。衛生的な環境を作るだけでなく、土壌の劣化や水質汚濁も考慮し、適切に片づけましょう。

 その他、捕獲するときや輸送するときにも、配慮が必要です。電気刺激や精神安定剤を用いて肉牛の興奮を抑えることは認められていません。

畜産物としての管理

 有機基準に満たない畜産物が混合しないように注意します。また、と殺するときは、肉牛の緊張と苦痛を最低限にする方法を選択しなくてはいけません。畜産物として処理された後は、放射線で照射したり動物用医薬品、洗浄剤などを用いて汚染されたりしないように注意しなくてはいけません。

オーガニックビーフの選び方

 日本だけではなく海外でもオーガニックビーフに対する注目は高まっています。認証団体も多く、オーガニックビーフの基準を満たした牛肉が「オーガニックビーフ」として消費者に分かるようなシステムが構築されています。日本で購入するときは、次の認証を受けているかどうかで判断することができるでしょう。

有機JAS認定

 日本の有機JAS基準を満たして生育されたビーフは、有機JAS認定を受けます。国産ビーフを購入するときは、オリジナルマークが入っているか確認してみましょう。

USDA ORGANIC

 USDA ORGANICは、アメリカ合衆国農務省傘下のオーガニック認証機関です。オーガニック基準を満たして生育され、オーガニック基準を満たして畜産物として加工されたビーフだけが、USDA ORGANICのマークを付けることができます。

NASSA

 オーストラリア産の牛肉(オージービーフ)がオーガニックビーフであるかどうかは、オーストラリア持続的農業協会(NASSA)が認めたビーフであるかどうかで判断します。NASSAでは肉牛の生育から畜産物としての加工を5つの段階に分け、各段階において満たすべき基準を満たしているかを確認してから認証を行います。

一般に流通されている量は多くはない

 オーガニックビーフに対する関心は高まっていますが、日本国内の市場において出回っている流通量は決して多くありません。通信販売や予約販売などの方法で売られていることも多いですので、オーガニックビーフに興味のある方は一度検索してみてはいかがでしょうか。

参考サイト:

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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