さまざまな商品に“オーガニック”という言葉が使われるようになりました。オーガニック野菜やオーガニックのスイーツ、オーガニックコットンのタオルや洋服などもあります。オーガニックの化粧品も増えてきましたが、一般的な化粧品と比べて何が異なるのでしょうか。オーガニック化粧水を例に、オーガニックの意味と定義について解説します。
オーガニック化粧水には明確な定義はない
オーガニックという言葉は“有機”や“有機農法を使った”という意味で使われることが多いです。しかしながら日本では“オーガニック”や“有機”という言葉を使う際にルールが決められているのは農産物と畜産物、加工食品、飼料の4つのカテゴリーに属するものだけです。
そのため、化粧水などの化粧品に関しては、オーガニックや有機という言葉に特別の制限や定義は定められていません。販売者や製造元が「オーガニック化粧品だ」と名乗ったらオーガニック化粧品というカテゴリーで販売することができるのです。
オーガニック表示があればある程度はオーガニック
オーガニックという言葉についての使用ルールはないものの、どんなものでも「オーガニック」と表記することは違法行為となります。特定商取引法第12条では著しく事実に相違する表記は禁じられていますので、オーガニック素材がまったく使用されていない化粧品に「オーガニック化粧品」と表示したりオーガニック化粧品であることを思わせるような宣伝をすることは、罰金や業務停止処分の対象になるのです。
つまり、日本で販売されているオーガニック化粧品は、ある程度はオーガニック成分が含まれていると言えるのです。もちろん、どの程度オーガニック成分が使われているのかは商品ごとに異なりますので、消費者が厳しくチェックしなくてはいけません。
オーガニック化粧水とは?
オーガニックに関する明確な基準はないものの、「オーガニック化粧水」と名乗るからには、誇大広告になってしまってはいけません。誇大広告ではないオーガニック化粧水なら、次のいずれかに該当することが一般的です。
オーガニックの素材を多く含んでいる
化粧品の成分の中に、オーガニックの素材が含まれていることが多いです。農薬を極力使用せずに育てたハトムギを主要成分として使っている化粧水や有機農法で育てられたラベンダーを香料に用いた化粧水などがあります。
自然由来の成分だけでできている
オーガニックという言葉が持つナチュラルなイメージを重視した化粧水を、オーガニック化粧水と呼んでいる業者もあります。かならずしもオーガニックではないものの植物や天然水などのナチュラルな成分だけでできている化粧水、化学的に合成した成分が含まれているもののほとんどがナチュラルな成分でできている化粧水も、オーガニック化粧水と呼ばれることがあります。
防腐剤等の保存料が使用されていない
防腐剤などの保存料が使用されていない化粧水をオーガニック化粧水と呼んでいることもあります。もちろん、保存剤不使用とオーガニックには何の関係もないのですが、オーガニックの持つ体に良さそうなイメージから、オーガニックという言葉がセレクトされています。
ただし、保存料不使用という理由で「オーガニック」を謳うのは、虚偽の広告と言える可能性もあります。各自で成分表をチェックして、信頼できるメーカーの信頼できる商品を選ぶようにしてください。
オーガニック化粧水を選ぶ際のポイント3つ
オーガニック化粧水には明確な定義がありませんので、購入する人各自が、しっかりと成分や効能を見極める必要があります。オーガニック化粧水を選ぶときの3つのポイントを紹介します。
オーガニック認証を取得しているか
輸入品のオーガニック化粧水を選ぶ際は、海外でオーガニック認証を受けているかどうかに注目してください。フランスのECOCERTやCOSMEBIO、ドイツのBDIHなどは厳しい基準が設けられていますので、オーガニック化粧水を選ぶ際の指標になるでしょう。
どのような成分が入っているか
国内のオーガニック化粧水を選ぶ際は、成分そのものに注目してください。希望する成分が入っているのか、また、その成分をどのような農法で使っているのかについて、公式サイトや化粧品店で受け取れるパンフレットを参考に吟味してみましょう。
どのような効能が期待できるか
どのような効能が期待できるかも、オーガニック化粧水を選ぶ際の指標になります。肌を鎮静させたいのか乾燥を防ぎたいのか等、希望する効能を持つ化粧水を選んでください。
オーガニックだからと適当に選ぶのは危険
オーガニック化粧水には明確な定義がありませんので、「オーガニックと記載されているから」という理由で選ぶのは賢明なことではありません。かならず購入者自身が海外認証や成分、効能を厳しくチェックし、納得できる商品を選ぶようにしてください。
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