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有機野菜には法律がある!?

 有機野菜は、体にやさしい野菜のイメージがありますが、有機野菜と表示していない野菜とどこが違うのでしょうか。有機野菜の意味や違い、作られる目的などをまとめてみました。

「有機」とは

 有機野菜という文字をよく目にしますが、「有機」とは何でしょうか。「有機」とは、辞書によると「生命をもち、生活機能や生活力を備えていること。」「生物体のように、全体を構成している各部分が、互いに密接な統一と関連をもっていること。」(大辞林 第三版より)とあります。では、その「有機」を冠した有機野菜とはどのようなものなのでしょうか。イメージとしていうと、太陽や土、水、大気などといった自然環境と調和し、自然に生息するさまざまな生物と共生できる環境保全を図った農法によって生産された農作物のことです。

有機野菜と有機JAS法

 有機野菜とは、土作りからこだわった栽培法で生産された農産物です。オーガニックと呼ばれる野菜は、有機野菜と同じ定義になります。有機野菜もオーガニックも同じように体にやさしいイメージを持ちますが、実は、いずれも勝手にその名前を使用することは許されていません。国が定めた「有機JAS法」に適合した野菜だけが表示できるのです。

有機JAS規格をクリアした野菜が有機野菜

 「有機JAS法」とは国(農林水産省)が定めた法律で、「有機JAS法」に則って制定された「有機JAS規格」に適合した野菜だけが、有機野菜と表示することができます。

有機JAS規格とは

 環境保全のため、土作りから栽培法まで定められた法律です。この規格に認定された野菜は、「有機JAS認定マーク」が表示されています。農業による自然循環機能を維持増進させるため、化学肥料や農薬の使用を避け、栽培中にも禁止とされている農薬や化学肥料を使用しないこと。もともとある土壌の力で生産力を発揮させ、農業生産のために環境への負荷をかけない生産をすることなどを原則とした規格になります。

 有機JAS規格を簡単にまとめますと、

  • ほ場(畑)の土は、多年生の農作物(果樹や茶など)は3年以上、その他の単年生の農作物(ホウレンソウやトマト、スイカなど)は種まきや植え付けの2年以上、禁止とされている農薬や化学肥料を使用しないこと。
  • 栽培中に禁止された農薬や化学肥料を使用しないこと。また、飛来しないようにすること。
  • 肥料や土壌改良材は天然物質由来のもので、化学合成された物質が添加されていないこと。
  • 害虫防除には天敵となる生物や微生物などを使用し、農薬に頼らないこと。
  • 遺伝子組換えの種を使用しないこと。

参考:「はじめての人のための有機 JAS 規格 – 農林水産省」

「有機JAS認定マーク」を表示した野菜

 最低1年に一度の調査が行われ、有機JAS規格によって規定された野菜は、農林水産大臣認定の証「有機JAS認定マーク」を付けることが認められています。消費者は、これを基準にマーケットなどで購入するわけです。しかし、他の表示されていない、農薬などを使用していると思われる野菜より少し高値のことが多いのも事実です。

有機野菜が高くなるワケ

 有機JAS法には食酢など約30種類の農薬の使用が認められています。しかし、土壌や環境、そこに生息する生物や微生物を破壊しない環境保全のために、安易に化学合成された肥料や、除草のための安価な農薬を使用できません。手間暇をかけなければならないため、人手や時間などのコストがかかってしまうのです。そのため、有機JAS規格の認定を受けていない野菜より価格が高くなるというワケです。

「有機JAS認定マーク」を基準に!

 有機野菜は、前項でもお伝えしたようにまったく農薬などを使っていないとは言えませんが、認定されていない野菜より体にとってやさしいといえます。安価な農薬を使っての除虫や、化学合成された肥料で耕した畑で育つ野菜より安心感があります。もし、有機野菜を購入したいと思ったら、「有機JAS認定マーク」を探してみてください。「有機JAS規格」に合格した野菜だけに「有機JAS認定マーク」は付けられます。

 有機野菜とは、国の「有機JAS法」の基に制定された「有機JAS規格」に合格した野菜だけを指します。農作物だけでなく環境の保全のため、環境負荷の少ない栽培法で手間や時間をかけて生産する野菜なので、健康的で栄養価の高い野菜といえます。有機野菜に付けられた「有機JAS認定マーク」を探してみてくださいね。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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