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フェアトレードの商品て何がある?

 生産に関わる人々から公正な価格で買い付ける「フェアトレード」。具体的にはどのような商品があるのでしょうか。フェアトレードで扱われる商品と、それぞれの商品になぜフェアトレードが必要なのかについて見ていきましょう。

コーヒー豆

 コーヒー豆の市場価格はニューヨークやロンドンの国際市場で決定しますが、為替相場だけでなく投資家の影響も受け、大きく変動します。そのため、コーヒー豆の生産者側は安定した収入を得ることが難しく、不当な価格で中間業者に買いたたかれることも少なくありません。

フェアトレードと生産者組合

 フェアトレードでは、コーヒー豆を生産する小規模農家が団結して生産者組合を作ることを推進しています。生産者組合を作ることで、それぞれの小規模農家が技術協力を行い、不作時の収入補償や設備投資時の資金貸付などを行うことができるようになります。

 また、フェアトレードでは、コーヒー豆の最低取引価格も定めていますので、国際市場に関係なく一定額以上の収入を受け取れるようにしています。それに加えて、重量当たりに一定のプレミアム(奨励金)を生産者組合に保証し、生産者組合が機材購入や地元の設備(学校や病院、水道などの生活に必要な施設)などの必要に応じて使用できるようにしています。

カカオ豆

 チョコレートやココアなどの原料になるカカオ豆も、そのほとんどが開発途上国で生産されています。カカオ豆の生産で生計を立てている人は世界中に1,400万人ほどと言われていますが、不当な低価格で取引が行われることで、これらの人々の暮らしが立ち行かなくなってしまうのです。

児童労働とカカオ豆の生産

 カカオ豆の生産には、数多くの子どもたちも関わっています。ほとんど給金が払われないままカカオ豆の栽培を行う子どもたちや、学校にも行かずに農園で作業をする子どもたちもいます。フェアトレードによって親の労働だけで充分な収入が得られるようになれば、子どもの労働力を頼ることも減り、充分な教育を受けられる子どもも増えていくと予想されるのです。

 また、児童労働は貧困の連鎖も招きます。充分に教育を受けていない子どもが大人になることで、その子どももまた幼いときから労働に従事し、教育を受けられない可能性が高くなります。そして、貧困を埋めるために、またその子どもも学校に行かずに農園の仕事に従事することになるのです。

コットン

 綿花は主に西アフリカや西アジアで生産されています。綿花栽培やコットン製品の製造に関わっている世帯は、世界で1億世帯と概算されています。

農薬問題とフェアトレード

 綿花畑は、世界中の耕作地のわずか3%だけを占めています。しかし、綿花畑に使われる農薬は世界中の農薬の約10%、殺虫剤に至っては世界中の殺虫剤の約16%も占めているのです。健康を著しく害するために全面的に禁止されている農薬であっても、原材料に成分が残りにくい綿花にはまだ使用されていることも珍しくないのです。

 作業効率を向上させるために農薬を無制限に使用することで、コットンの生産や加工に関わる労働者が健康被害を受けるケースもありません。場合によっては農薬や殺虫剤によって中毒死しているケースもあります。

 フェアトレードが推進することで最低価格が保証されれば、健康を損なう恐れがある農薬や殺虫剤を使用しなくても良くなることが期待されます。また、農薬や殺虫剤などの化学物質の使用を控えて「オーガニックコットン」を生産するなら、フェアトレードにおいて通常のコットンより高値で買い取られ、生産者側がさらに高い収入を得ることも夢ではありません。

切り花

 切り花の多くは、大規模なプランテーションによって栽培されています。特に東アフリカ諸国や南アメリカの国々において、カーネーションやバラなどの切り花が生産されています。

農薬と水質汚染

 花に虫をつかせないために、強い農薬が大量に使われることがあります。労働者が農薬を散布する際に吸い込んで深刻な健康被害を引き起こしたり、農薬が土壌にしみこんで、周囲の水質を汚染したりすることも頻繁にあるのです。

 フェアトレードによって最低価格が保証されることで、必要以上の農薬を使用しない花の育成が期待されます。また、農薬を取り扱う労働者に適切な防護服を提供することや近隣の水質の適正な検査、水質汚染を防ぐ取り組みなどにも、フェアトレードから得られる資金が活用されることも期待されます。

スポーツボール

 世界中で愛されているサッカー。サッカーボールの約7割は、パキスタンの工場で生産されています。

サッカーボールと児童労働

 パキスタンのサッカーボール工場でも児童労働が指摘されています。フェアトレードによってボールの売り上げの数%が労働者やその家族の福祉に還元されることで、子どもたちの就学や教育、医療にも必要な資金が回されることが期待されるのです。

フェアトレード商品で社会貢献

 フェアトレードの商品を購入することも、世界の貧困や健康被害を解決するための1つの方法です。消費者各自が生産者の生活に思いを馳せ、適切かつ公正な価格で商品を購入するようにしていきましょう。

参考サイト:
なぜフェアトレード? コーヒー
なぜフェアトレード? カカオ
なぜフェアトレード? コットン
なぜフェアトレード? フラワー
なぜフェアトレード? スポーツボール

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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