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中国で禁止されたPM2.5問題ドキュメンタリー「穹頂之下」から2年

そろそろPM2.5の季節がやってきました。Safbaby中国の編集者剛さんからのメッセージをご紹介致します。

2年前中国で禁止されたドキュメンタリー

娘の健康に対する強い不安や恐れに駆り立てられ、2年前1人の母親が中国の悲惨な大気汚染問題を題材にしたドキュメンタリーを作成しました。この「穹頂之下」は国内中で議論を巻き起こし、中国本土だけでも1億5700万人が視聴するバイラル現象となりました。このドキュメンタリーの作成者で、調査ジャーナリストであるチャイ・ジン(紫静)は、お腹の中の娘が肺腫瘍を持つと診断された個人的経験から、中国の街をほぼ居住不可能に変えつつある計り知れない大気汚染の実態をリサーチするに至りました。

日本まで飛んでくるPM2.5

日本では3月の終わりは桜の季節で皆様わくわくしていますが、中国からPM2.5が大量に飛んでくる季節でもあります。

中国の大気汚染の影響は控えめに言っても膨大なものです。2010年度だけでも、大気汚染は中国で発生した120万人の早期死亡に関係しています。カルフォルニアで発生する微粒子汚染の原因の29%がアジアに由来する状況を考慮すると、私たちはこのような疑問を抱きます:「カルフォルニア(または西海岸)で起こる早期死亡のどれほどが、歯止めの効かない中国の大気汚染に起因しているのだろうか?」「日本に関してはどうなのか?」

大気汚染に国境はなく、多くの日本の都市が中国の責任に目を向けることなく、有害な大気の対策に励んでいますが、これこそチャイ・ジンのドキュメンタリーが強調していることです:つまり、大気汚染が子供の呼吸器系に与える悪影響は十分に立証されておりよってこの問題は居住する地域に関係なくすべての両親が不安に思うもののはずなのです。

お腹の中の胎児が最もリスクを被る存在であることを考慮すると、このような不安はこれから親になろうとしている人々も抱くものかもしれません。「おそらく受精から出産までの期間は人生の中で最も攻撃されやすいステージであり、この期間の外部環境は迅速かつ継続する巨大な影響を健康状態に与えるかもしれない。」

中国の現状

中国の大気汚染は秋から始まり、冬がピークになり、春に少し落ち着き、夏に一番少ないというふうになっています。この理由としては冬では秦嶺,淮河を境に、北の地域では集中暖房を使用するシステムがあり、主に石炭を使います。この石炭の使用量は1.3億トンとなります。昔の排気システムが改善されたものもありますが、中小型の暖房システムには排気を浄化する装置が普及されていません。

また農村部では農地で収穫された作物の枝や、根っこをそのまま乾燥させ、冬にこれらを燃やし、土地の栄養にする習慣があり、これも冬の大気汚染の原因と考えられます。

工業的には、中国政府は2013年9月中国国務省が「大気汚染防治行動計画」を発行し、冬の集中暖房を提供する時期に地域的に化学、製薬、鉄鋼業など工場の生産を停止する要求もありましたが、地域によって、昼間工場を止めて、夜に生産する工場も個別にあります。

中国もPM2.5の問題が深刻であること認識していますし、政府も色々な政策で空気を良くしようとしていますが、まだまだ道のり排気長いと思います。

「穹頂之下」もう一度

2年前のチャイ・ジンが極めて個人的に経験した現実を彼女の言葉はクラウドソーシングを通して日本語に翻訳されYouTubeに投稿され、もう一度見る価値があると思います。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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