文:SafBabyのゲストエキスパート、クリスティン・シェファーさん
“オーガニックなら慌てる必要はなし” キャッチ‐なフレーズですよね?
さて、私たちは、“農薬を使用しないでは世界の人々に供給することは不可能だった。”なんていう誇大広告を信じるように仕向けられていますが、今日このトピックの真実を読者の方たちに届けることができて嬉しく思います。
今回、農薬アクションネットワークのクリスティン・シェファー氏との独占インタビューは、オーガニック食品を摂ることやオーガニック農業の大切さに光を注いでくれます。
また、それがどのように私たちの赤ちゃんや子供たち、私たち自身、そして私たちのかけがえのない地球に回りまわってくるのかについてお話してくれます。
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これからお伝えするいくつかの基本的なやり方を実践することで、非常に危険で有害な農薬の除去に大きな違いを生み出すことが出来るのです。
世界中の農薬の25%をアメリカが使用している
アメリカは他の先進工業国より多くの化学肥料、農薬(もしくはそれ以上に有毒なもの)を使用しているのですか?もしそうなら、それはなぜですか?
アメリカは世界中の農薬のおよそ25%を使用しています。それは約年間45万トン以上になります。この理由には、アメリカは大陸自体が大きいということと、広い農地を持つ食糧輸出国であることが挙げられます。しかしこれは、健全な土壌を維持したり、害虫を丹念に駆除したりすることよりも、農薬の使用に頼るようになってしまった営農組織を意味しています。
化学肥料と農薬の原料は何ですか?
化学合成農薬は化学薬品製造所で作られており、そのほとんどは石油原料であり、塩素、リン、窒素、臭素といった複合化学元素でできた有効成分を含んでいます。この有効成分は害虫を殺すためにつくられました。農薬は“不活性” 成分も含んでおり、これは殺虫成分をより強くするために添加されています。
農薬は必要なのでしょうか?農薬がなければ私たち皆に食糧が行き渡らなかったのでしょうか?
多くの人がこう言います。農薬は使う必要がある、そうでないと全員に食糧が行き渡らない。と。これは本当でしょうか?
これは農薬会社と、農薬の使用を促進しようとする人との間で好まれる話題ですが、これが間違いであることを私たちは既に知っています。
何百人に及ぶ研究者たちによる、最近の世界的な研究では、世界中の人々に食糧を供給するのに一番の方法は、長い目で見た場合、化学薬品で土壌や水を汚染しない小規模農業だとしています。 多くの場合、小規模農業は短期間でより多くの作物を生産できます。そして、農家の人や従業員、近隣市町村の人々の健康を危険にさらしません。
果物と野菜の農薬洗浄
農薬を水で洗い流せますか?それとも、洗い流すのに何か特別な洗剤が必要ですか?
水で洗い流すのはいくつかの農薬には効果的ですが、その他の農薬は浸透性の農薬です。浸透性農薬は土壌に混ぜ込まれ、野菜の根を通じ吸い上げられ、野菜の葉肉や果物の果肉に入ります。これらの化学物質は洗い流すことができません。
妊娠中にオーガニック食品を摂る
なぜ妊娠中の女性と子供はオーガニック食品に切り替えることが非常に重要なのでしょうか?
多くの化学物質は胎盤と通じ、妊娠中、成長途中の胎児に影響を及ぼすことが知られています。
時期にもよりますが、子宮内で胎児が受ける化学物質への曝露は、胎児の臓器や機能が成長段階にある時、重篤な損傷を受ける可能性があるのです。
妊娠中の化学的負荷を減らすこと、例えばオーガニックに切り替える、又はほとんどの食事をオーガニックにするなどは、成長途中の重要な時期にいる胎児を守るのに役立つでしょう。
子供たちは生まれた後も、農薬などの影響に非常に弱いものです。神経系、生殖器系などその他全ての機能が急速に成長しており、成長途中の重要な時期に、ある特定の化学物質にさらされることは、その後重い長期的な影響をもたらす可能性があるのです。同じ重量で比較した時、子供は完全に成長した大人よりも多くの食べ物を食べます。ですから実際は、彼らの小さな体は、より多くの農薬にさらされているのです。 また、最近の研究では、子供の体は大人のように毒素を素早く除去することができないことが確認されています。そのため、大人の場合は1、2日で体から農薬を除去できるところを、子供の体は農薬を除去するのに、それよりも長い日にちを要するのです。
農薬が子供たちに与える短期的、長期的影響
農薬が子供たちの体に与える短期的、長期的影響はどのようなものがあるのでしょうか?
科学者たちは、子供たちの農薬への曝露と様々な健康への被害との関係を明らかにしました。健康被害は農薬の種類や曝露量によって違い、重篤な症状については、子供が成長のどの段階にいるかということに関係するのです。
農薬と、重い発育遅延を含めた子供の発達途中の神経系への影響の間には、強い関連性がいくつかみられます。
研究によると、小児がん、白血病、出産異常、低出産体重、幼児期や小児期における農薬被ばくにより、成人後、精子数の減少や不妊を含め、生殖器に異常を起こすことも明らかになっています。 もし被ばく量が多い場合、短期的影響として現れる可能性があるのは、めまい、吐き気、発疹、免疫機能の低下です。
農薬と自閉症
自閉症が農薬への曝露と関係しているというのは本当ですか?
それを裏付けできる研究結果はありますか?
はい。いくつかの研究で農薬への曝露と自閉症との関連が明らかになっています。
カリフォルニアで行われたある最近の研究では、妊娠中に、農薬の一種であるエンドスルファンに曝露した女性は、曝露していない女性に比べ6倍自閉症の子供を出産する可能性が高いということが分かりました。研究自体は小さなものでしたが、この発見には大きな意味があり、研究者たちはこれらの発見を確証するために現在必死に取り組んでいます。エンドスルファンは持続性のある農薬のひとつで、我々の組織が現在アメリカ国内で禁止させようと一生懸命取り組んでいるものです。
農薬の解毒
体はこれらの農薬を簡単に除去できますか?それとも、しばらくの間体に残っているものなのでしょうか?
それは農薬の種類によります。
DDT(ジクロロ・ジフェニル・トリクロロエタン)と同種の持続性のある農薬だと、それが持つ分解産物により私たちの血液や脂肪組織に数十年間蓄積される可能性があります。悲しいことに、これらの種類の化学物質は母親から子へ、子宮内にいても、母乳を通じてでも渡ってしまうのです。
授乳のメリットは、このような汚染物質がもたらすリスクよりはるかに勝るものである一方、自然で完ぺきな食物が、これらの長く留まる化学物質によって危険にさらされているということは悲劇的なことです。
他の農薬については、数時間か数日のうちに体を通過し、尿や汗と共に排出されます。ただし、先程述べたように、最近の研究では、子供は体からこれらの化学物質を除去するのに時間が掛かることが分かっています。
オーガニック食品へ切り替える
なぜすべてオーガニックに切り替えることが私たちの未来や子供たちの未来にとって非常に重要なのですか?
オーガニックに切り替えることは残留農薬による健康への被害から家族を守るだけではなく、農家の方たちや従業員達を、直接触れる危険な毒素から守ったり、蜂、魚、鳥、その他の動物たちを化学物質への曝露から守ってあげることでもあり、大地や水や空気を汚染物質から守ることなのです。
オーガニック食品を購入することが、より多くの農業経営者たちに、より安全でより健康な農業へ変換するよう納得させる役割を持つのです。さらに彼らの子供たちをも守ることができるのです。
有機肥料と化学肥料
牛糞のような ‘有機肥料’ も問題なのですか?それとも化学肥料や農薬だけが問題なのですか?
牛糞肥料のような自然の肥料でつくられた健康で生きた土壌が有機農業を成功させるカギです。何らかの形で誤ったやり方をしない限り、これらの有機肥料は健康を害するようなリスクがありません。
学校や自宅の庭で使われる化学肥料と農薬
もし家の庭(もしくは学校)で化学肥料や殺虫剤、農薬が使用されている場合、子供はこれらを吸い込みますか?もしそうならどのようにしますか?
はい。家庭や庭での殺虫剤、農薬の使用は間違いなく子供たちの被ばく量を増加させます。化学物質は芝生からカーペットに持ち込まれます。そして、その化学物質を含んだ塵を吸い込んだり、肌から吸収されたりします。カナダの多くの都市は子供たちや家族の健康を守るために芝生への殺虫剤、農薬の使用を非合法化しました。そしてここアメリカでは多くの州で、親や多くの人たちが学校や公園での殺虫剤、農薬の使用を制限するために懸命に取り組んでいます。
妊婦や子供が避けたほうが良いノンオーガニックフードは何ですか?
私たちは、人々が自分たちで、食べ物がどの農薬で汚染されているのか調べられるように新しいオンラインツールを開始しました。 www.whatsonmyfood.org.(英文のみ)
こちらのサイトでは、様々な食べ物に含まれる農薬USDAがどのような影響を体に及ぼすのかチェックすることができます。
高い数値がみられる食べ物の中には、葉物野菜(ほうれん草、レタス、コラード、ケール)があります。さやいんげんや桃、リンゴ、トマトも高い数値の在留農薬がみられました。
飲料水の中に含まれる農薬
私たちの飲料水にとって、農薬は主な汚染物質です。
有害な農薬から飲料水をろ過する一番の方法は何ですか?
飲料水の農薬汚染から私たち自身を守る一番の方法は、私たちが有機農家を支持し、有機食品を購入することです。そうすることで私たちの飲料水の水路の中の農薬全体量を減らすことです。
‘無農薬’ = オーガニック?
農家の市場で並んでいる‘無農薬’の農産物はオーガニックと同じくらい安全ですか?
農家の市場で“無農薬”として並んでいる農産物は、オーガニックと認定される前に3年間の移行期間が必要となります。この移行期間中に、農家は有機農法で農産物を育てますが、この期間中に育てられた果物や野菜をオーガニックと呼ぶことはできません。
“無農薬”ラベルを使用している営農者は化学肥料を使用しますが、農薬、殺虫剤は使用しません。これらの果物や野菜は従来の農産物より安全ですが、それでも環境に有害であることは考えられます。小規模農場主は農産物販売のために市場にやって来ることも多いので、彼らの果物や野菜がどのように育てられたか直接質問をし教えてもらうこともできます。
違いを生み出す親の役割
近所や学校の芝生、州が幹線道路の淵に散布する環境汚染物質である農薬、殺虫剤の多くは 私たちの手で制御することは不可能です。
どうやったら親は居住地域に不必要な農薬、殺虫剤散布をやめてほしいという声を届けることができるのでしょうか?
親は地域団体に関わりを持つことで非常に大きな違いを生み出すことができます。もし既存の団体がない場合は、そういった団体を立ち上げても良いでしょう。
農薬の使用に対して反対運動を起こしている団体は全国各地に本当にたくさん存在します。そして州や国が連立して、学校や芝生、農薬散布などの問題に重点的に取り組んでいます。
世界中に5つある、農薬を心配する人々によってつくられる地域ネットワークのひとつである北アメリカネットワークに参加することももちろん可能です。
地域で支える農業(CSA)
他に親たちが知っておくべきことはありますか?
家族でオーガニック生活を始めるにあたって良い方法は、まず住んでいる地域にある 地域で支える農業(CSA)を探すことです。
CSAに参加するには、農産物を共有するため会員になります。
一般的には、前もって費用を支払い(1回または2回払い)季節ごとの大地の恵みを受け取ります。その参加費により、小規模農家で年間を通じてかかる費用を補うことができます。CSAに参加している会員は新鮮なオーガニック野菜や果物(私たちのCSAでは卵やパンも含まれます。)が入った箱が、週に1回あなたが取りに行ける近所の指定場所に運ばれてくるのです。
私の2人の子供たちが小さかった頃、私たちは、自分たちが参加するCSA農家の夏至のお祝いや市民開放デーの常連でした。 私の子供たちは熟したラズベリーの採り方を覚えたり、“自分たちの”畑の雑草のとり方を学びました。また、土壌や益虫の大切さも学ぶことも、ヤギの乳搾りの仕方も教わりました。
各地に何百という数の素晴らしいCSAがあります。ここのサイトで確認出来ます。www.localharvest.org/csa/(英語のみ)