ママモル

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

PM2.5は何故危険なのか?日本で危ない地域とは?

 「PM2.5」と聞くと危険なイメージを持ちますが、実際のところ、なぜPM2.5は危険なのでしょうか。また、日本の中で特にPM2.5に注意すべき地域というのはあるのか、あるとするならばどの地域なのかについても解説します。

PM2.5とは?なぜ危険なの?

 PM2.5とは、直径2.5㎛(マイクロメートル。1㎛=0.001mm)以下の物質のことを指しています。つまり、通常の布や紙なら容易にすりぬけてしまうほど非常に小さい物質が、PM2.5なのです。

通常の紙や布をすりぬけてしまう有害物質

 世の中にはPM2.5レベルの小さな物質はたくさんありますが、工場や自動車などから排気された空気中に入っている粉じんなど、人体にとって有害な物質も少なくありません。人間にも鼻やのどなどの自然のフィルターが備わっていますが、あまりにも小さな物質はフィルターをすりぬけて肺の奥に入り込んでしまいます。

 粉じんやばい煙などの人体にとって有害な物質が肺の奥に入り込むと、呼吸器系の疾患や循環器系の疾患を引き起こすことも想定されます。そのため、PM2.5が飛来している場所や飛来していると考えられる場所では、PM2.5を防ぐことができる高密度のマスクなどを装着し、少しでも体内にPM2.5が入り込まないように予防する必要があるのです。

PM2.5対応型のマスクだけで大丈夫?

 PM2.5の微小物質が入り込めないPM2.5対応型のマスクを装着すれば、PM2.5が呼吸器や循環器に及ぼす影響を防ぐことができるのでしょうか?答えはNOです。人間が外気の影響を受けるのは鼻や口だけではなく、目や耳といった部分から外気をとり込み、体内に影響を与えてしまうからです。また、皮膚も呼吸をしています。皮膚が長時間ばい煙や粉じんに曝されることで、良くない影響を受けることも考えられるのです。

PM2.5の影響を受けやすい人とは?

 誰でもPM2.5を吸い込めば、身体に良くない影響を受けてしまいます。しかし、元々循環器や呼吸器に病気を抱えている人や丈夫でない人なら、さらに多くの影響を受けることでしょう。また、子供やお年寄りも、抵抗力が少なく、PM2.5の悪影響を受けやすいと考えられます。

PM2.5が多い場所・多いとき

 PM2.5はどこにでも飛来していますが、どこでも一定の濃度で存在するわけではありません。やはり粉じんやばい煙を排出する工場の近くや飛行場の近く、幹線道路のそばなどでは、他の場所よりもPM2.5が多く存在します。また、空気がよどみがちな盆地に工場が建っている場合も、風通しが良い場所に工場があるのと比べるとPM2.5の濃度が高いと考えられるでしょう。

天候によってもPM2.5の濃度が変わる

 日本国内では、毎年3~5月になるとPM2.5の濃度が高くなることが報告されています。地域によっても差はありますが、工場や幹線道路、飛行場の近くにお住まいの場合は、春は特にマスクなどで防御することが必要になるでしょう。

 また、よく晴れた日も注意が必要です。PM2.5に含まれる物質の中では、光と結びついてさらに有害物質へと変化する光化学反応を示す物質もありますので、晴れた日には、普段以上に健康被害を生みだす可能性がある物質が飛来している可能性があるのです。

さまざまな規制によって汚染物質は減少しているが…

 健康被害を生みだす粉じんやばい煙に対して、政府が何の対策も行っていないというわけではありません。工場からの廃棄物や煙に関しては厳しい基準が定められていますし、自動車排出ガスに対しても規制は強化されつつあります。実際に、日本国内ではPM2.5の濃度は減少傾向にあり、大気中の汚染物質は減っていると見ることができます。

海外からPM2.5が飛来する

 しかし、大気汚染は日本国内だけの問題ではありません。空気は世界中つながっていますので、風を伝って海外のPM2.5が日本に飛来することもあるのです。例えば、日本海を隔てて隣り合う中国では、近年、急激に工場が増加していますが、粉じんやばい煙などに対する規制はまだ十分に構築されていないため、PM2.5が中国国内だけでなく韓国や日本などの近隣諸国にも飛んできているのです。

日本海沿岸がPM2.5危険地帯というわけではない

 中国からPM2.5が飛来していると聞くと、「日本海沿岸はPM2.5の濃度が高いのか?」と考えるかもしれません。しかし、実際のところはそうとは限りません。中国から日本に多数のPM2.5が飛来していることは事実ですが、風の流れや日本国内のPM2.5、また、飛来中に光化学反応によって生まれた危険物質などの影響も受けますので、日本海沿岸のPM2.5の濃度が、常に太平洋岸のPM2.5の濃度や内陸部のPM2.5の濃度と比べて高いわけではないのです。

こまめにPM2.5の状況をチェックしよう

 風の方向や天気にも影響を受けるPM2.5。日本の特定の地域が危険というわけではなく、日本全体そして世界全体がPM2.5の影響を受けているといっても過言ではありません。健康被害を予防するためには、普段から大気の状況を把握しておくことが重要になります。環境庁のサイト「そらまめくん」などを利用して、お住まいの地域やお出かけ先のPM2.5情報を入手するようにしてくださいね。

参考サイト:

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

EARTH CHILD アースチャイルド


Back to Top