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SDGsとは?国連が定めた持続可能な開発目標について。

 2015年9月25日からニューヨークの国連本部で開催された“国連持続可能な開発サミット”で、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。アジェンダでは人類、そして地球が繁栄するための目標としてSDGs(Sustainable Development Goals)がまとめられています。17の目標と目標達成のための169のターゲットからなるSDGsについて解説いたします。

SDGsが目指す目標とは?

 SDGsの究極の目標は、人類とすべての生き物、そして地球が繁栄することです。しかし、その繁栄の陰で、汚染や貧困、将来的な環境破壊があっては無意味です。また、地球繁栄を実現する優れた方法であっても、継続が困難な手法では目標に到達できないでしょう。

 SDGsでは、2030年を一応の区切りと定めています。2030年までに、貧困や飢餓、エネルギー枯渇、気候変動にかかる諸問題を解決に導き、平和な社会を実現するために、持続可能な開発をすることを目標としています。

SDGsの17の目標

 国連では、人類と地球の繁栄のために、2030年までに到達を目指す17の目標を掲げました。目標の詳細と目標到達のための具体的な数字について紹介します。

目標1:すべての場所におけるすべての形態の貧困を終わらせる

 発展途上国に住む10人のうち1人は、国際的な貧困ラインとされる1日当たり1.9アメリカドルを稼ぐことができていません。特に深刻な貧困は、東アジアや東南アジア、サハラ砂漠を中心としたアフリカ地域に多くみられています。また、国自体は貧困者であふれかえっているわけではなくとも、女性だけ、特定の宗教・民族だけが貧困生活を送っている地域もあります。国連では、SDGsの第一として、すべての場所におけるすべての形態の貧困を終わらせることを目標として掲げました。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 男性・女性・子どもに関わらず、貧困状態にある人々の人口を、2030年までに半分にすることを目指します。また、貧困かどうかに関わらず、すべての人が同じ経済的資源や技術、財政的支援を利用できるようにします。

目標2:飢えをなくす

 生物が生きていくためには、食べ物が必要です。しかし、食べ物を採取・製造するために、水や土壌などの環境資源を破壊することは決して正しいことではありません。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 乳幼児を含むすべての人を、2030年までに飢餓状態から脱出させます。2025年までに、特に5歳以下の乳幼児と少女、妊娠中もしくは授乳中の女性、高齢者の栄養状態を改善します。

目標3:健康と幸福

 すべての年代の人々にとって、健康かつ幸福に暮らすことは重要なことです。しかし、不適切な食生活やたばこなどの健康を害する習慣、過労などによって、妊娠中もしくは出産時に亡くなる女性は少なくありません。また、毎年、5歳の誕生日を迎える前に500万人を超える子どもたちがなくなっています。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 出生100,000当たりに70人もの母親がなくなる現状を改善することを、2030年までの目標として定めます。また、ワクチン接種で防げる感染症等については、ワクチン接種を広め、乳幼児や子どもの死を未然に防ぎます。2020年までには、交通事故による負傷者や死者を半数にすることも目指します。

目標4:上質な教育

 人生を上質なものとするためにも、満足度の高い人生を送るためにも、上質な教育を受けることは必要なことです。しかし、2億6500万人以上の子どもたちは学校に通えず、基礎的な読む能力や計算力を身に着けることができていません。特に女性や少女たちに十分な教育の機会が開かれていない国や地域も多く、生きていくための必要なスキルを習得しないまま成人することも多いのです。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 2030年までに、すべての少年少女が完全に無料で初等・中等教育を受けられるようにします。基本的な教育を修了した後に仕事に生かせるスキル習得に導き、将来的な雇用問題の解決も図ります。

目標5:性別による差別をなくし、女性と少女たちが輝く社会を実現する

 現在、15歳~49歳の女性のうち5人に1人が、12ヶ月以内にパートナーからの身体的あるいは性的暴力の被害に逢っています。49の国では、女性を家庭内暴力から守る法律がなく、問題解決の方法すらない状態に置かれています。女性が男性と平等に経済的支援や教育を得られるならば、理不尽な状態に身を置くことに疑問を感じ、家庭内の地位や社会的地位を向上させることにもつながるでしょう。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 社会的なものであれ私的なものであれ、女性と少女をあらゆる暴力から保護することを目指します。また、政治的・経済的・公的なあらゆる場面において、女性も男性と等しく、リーダーシップを発揮して意思決定をする機会が持てるような制度を作ります。

目標6:すべての人が清潔な水と衛生を手に入れる

 清潔な水は、すべての生命の源です。また、衛生的な生活を送ることは、命を守ることと同義でもあります。しかし、現状では、清潔で安全な水を手に入れることは容易なことではありません。2050年までに2億人以上もの人々が新鮮な水の入手が困難になり、少なくとも4人に1人が慢性的な水不足に直面すると予想されているのです。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 2030年までに、すべての人が安全な飲み水を確保できるようにします。また、とりわけ女性や少女などの非力な人々にとって、衛生面を守ることが重要なことであるという認識を広めることも重要なことです。

 安心して飲める水を確保することには、森林や山、湿地、川、湖沼などの水を生み出す環境を守ることも含まれます。率先して環境保護・環境改善に取り組み、すべての人が衛生的に生活できることを目指します。

目標7:入手可能なクリーンエネルギー

 廃棄物や二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーの重要性は、日ごとに高まっています。今後も、人類と他の生物が地球という環境で生活し続けていく上では、環境を損なわない入手可能かつクリーンなエネルギーが必要になるでしょう。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 人口増とエネルギーを使用するシステムの増加に耐えられるよう、エネルギー効率を現状の2倍にすることを目指します。エネルギー供給インフラを離島や発展途上国にも提供し、生活水準の向上をサポートします。

目標8:労働量の減少と経済的成長

 おおよそ半数の人々が、1日当たり2アメリカドルの支出で生活しています。また、全世界の失業率は5.7%を超え、失業していない人々も雇用の不安定さにおびえる人は少なくありません。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 発展途上国においては、国内総生産が少なくとも年に7%は上昇することを目標として定めます。また、若齢者や障害がある人も、等しい労働量に対しては等しい報酬が払われることも目指します。

目標9:工業、技術革新、インフラの構築

 手工業も価値はありますが、工業や技術革新によって短時間で大きな価値を生み出し、経済的発展が実現することも事実です。工業化が進んでいない地域に技術革新をもたらし、生活を便利にするためのインフラを整備することは必要なことだと言えるでしょう。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 人々の生活を支えるインフラが未整備の地域は整備を実施します。また、特に工業化が必要とされるアフリカ諸国において、技術面での支援を行います。

目標10:国家間と国内における不平等を減らす

 経済的な発展は、かならずしも貧困を減らすわけではありません。経済的に発展することで、国内における経済的格差が広がることも多いのです。経済的に発展することで国家間の不平等を減らし、国内の貧困対策を実施することで国内における格差の減少を目指すことは急務と言えるのです。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 平均収入を増やすことよりも、収入が低い4割の人々の収入を増やすことを目標として定めます。また、輸出入における関税を見直し、発展途上国が取引しやすい状況を作ります。

目標11:安全で静かな街づくり

 無計画かつ急速に都市化が進むと、都市は人間の生活にはふさわしくない環境になってしまいます。利便性とは別に、安全かつ静かな維持可能な環境を作ることが、都市化された地域のこれからの課題と言えるでしょう。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 安全な住環境と移動手段を整備し、子どもや女性、高齢者などの非力な人々が安心して暮らせる都市を構築します。また、人類の遺産や自然の保護にも力を入れます。

目標12:消費と生産の持続可能なパターンを構築する

 現在、特に東アジアでは、自然資源を使った物質的な消費が増えています。無計画に生産し続けることで、水や空気などの自然資源が破壊されているのです。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 2030年までに、それぞれの国において、自然資源の現状を維持できるパターンを見つけます。リサイクルとリユースを徹底し、資源の無駄遣いをしない習慣を身に着けていきます。

目標13:気候変動に対する早急な行動

 すべての国や地域で、気候変動が観察されています。この100年の間に、地球の平均気温は3℃も上昇し、貧しい地域ほど気候変動による影響を大きく受けています。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 すべての国家において、気候変動における指標を法令や計画などに含めるようにします。また、気候問題に対する適切な行動を啓蒙し、正しい知識を人々に広めます。

目標14:海洋と海洋資源の持続可能な利用

 地表の4分の3を覆い、すべての水の97%を占める海洋。世界中で3億人以上もの人が、海洋資源によって生計を立てています。しかし、現在、海洋汚染と魚等の乱獲によって、海洋と海洋資源は着実に蝕まれています。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 2020年までに海洋と海岸の生態系を保護し、2025年までに海洋汚染を減少することを目標として定めます。海洋の有毒化を最小限に抑え、海洋資源で生計を立てている人の生活に影響が出ないように努めます。

目標15:森林保護と砂漠化の抑制、土地の劣化と生物多様性の欠如から地球を守る

 森林を守ることは、水などの天然資源を守ること、人間の生活を守ることにもつながります。ひいては、砂漠化と土地の劣化を抑制し、多種多様な生物を守ることにもつながるのです。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 森林伐採の基準を構築し、積極的に森林保全に努めます。また、伐採後に放置せず、伐採と緑化を1つのプロセスとして実施します。

目標16:公正で平和、包括的な社会を構築する

 暴力におびえて暮らす人々や子どもたちは少なくありません。また、とりわけラテンアメリカやサハラ周辺のアフリカ、アジアには、殺人の恐怖と隣り合わせで生活する地域も多数存在します。誰もが生きやすい公正かつ平和、包括的な社会を構築することは、人類にとって急務だと言えるでしょう。

2030年までに到達を目指す具体的なターゲット

 国内において、また国際間において法制度を整備し、公正な生活が送れる地盤を作ります。また、あらゆる形態における汚職や贈賄も厳しく取り締まります。

目標17:持続可能な開発のための世界的な協力

 どの目標も、国という垣根を超えた協力なしには実現しません。持続可能な開発のため、国家を超えて人々が協力する必要があるのです。

地球を守れるのは地球人だけ

 地球を守ることができるのは、地球に住む人だけです。国や地域、宗教、考え方、性別の枠を超え、住みやすい地球を作るために努力していきましょう。

参考サイト:
持続可能な開発目標(SDGs)とは
About the Sustainable Development Goals

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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