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子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

Wi-Fiが危険?ー電子スモッグが子供たちに与える影響

文:SafBabyのゲストエキスパート、アンドリュー・マリーノ博士

私たちは有機栽培の食物を摂取し、無害のおもちゃを購入し、オーガニックの衣服を身に付け、天然由来の美容製品を使用しています。しかし、コンピューター・携帯電話・Wi-Fi・iPodなどの電子製品の使用の話になると、その危険性を考えてはいません。これらは子供の健康に大きな影響を与えるのでしょうか?

今回は生体電磁気学の先駆者であるアンドリュー・マリーノ博士のQ&Aをご紹介します。

これまで、Wi-Fiや携帯電話からの電波の吸収や、それらが健康に与える危険性、携帯電話を子供から遠ざけることが重要である理由を題材にした2つの記事、「Wi-Fiや携帯電話との関与は子供の脳/生殖器官にダメージを与えるのか? 」と「子供たちから携帯電話を遠ざけよ」をご紹介しましたが、今回私たちは「電子スモッグ」についても深く知りたくなったのです。

「電子スモッグ」とは一体何なのでしょうか?これらはどれくらい子供たちに有害なのでしょう?自閉症との関連性はあるのでしょうか?また、私たちはベビーモニターを捨てるべきなのでしょうか? 私たちは専門家であるアンドリュー・マリーノ博士に尋ねました。彼はルイジアナ州立大学健康科学センター・整形外科部の教授であり、生体電磁気学の先駆者で、電磁波に関する大規模な研究を実施しています。

電子スモッグによる健康被害について

電子スモッグとは何ですか?
「電子スモッグ」という言葉は、電力で稼働する機器の周りに発生するエネルギー場を表す俗称です。時として、電子スモッグは有益な目的を何も持たない単なる副産物である場合があります。電子時計や電気毛布の周りの電子スモッグがその例です。他のケースでは、携帯電話やWi-Fi、ベビーモニターなどのように電子スモッグを生み出すこと自体が機器の目的であることもあります。

 「電子スモッグには健康を害する危険がある」と証明した研究は存在するのでしょうか?
多くの臨床検査と調査研究が電子スモッグの身体への影響について調べていますが、「電子スモッグには健康を害するリスクがある」と証明されたか否かは、得られたデータにどんな意味を持たせるかや、言い換えれば、何を証明したいのかによります。しかし私は、研究結果は電子スモッグが日々悪化しつつある、健康上の深刻な問題であることを確実に示していると考えます。環境汚染の他の全問題と同じく、電子スモッグがもつ相対リスクは健康的な成人と比較して子供や高齢者のほうが高いものとなります。

子供や高齢者が危険にさらされやすい

 なぜ子供や高齢者のほうが大きな危険にさらされているのでしょうか?
子供は免疫機能が十分に発達しておらず、高齢者の場合は免疫機能が低下しているためです。その結果、あらゆる汚染は彼らには大きな影響を与えます。電子スモッグもその例外ではないのです。

 電子スモッグは子供の健康にどのような影響を与えますか?
タバコの煙のような他の汚染物質と同様、電子スモッグが人体へ及ぼす影響は非常に多岐に渡る可能性があります。人間の病気は複数の原因の複雑な組み合わせから必然的に生じるからです。

電子スモッグには非常に様々な病気に関連する素質があります。この点を理解するための最善の方法は以下のように認識することです。

 「子供、大人、高齢者が発症する病気の中で、電子スモッグに危険性がないことを示す合理的な証拠を携えたものは一切存在しない」

電子スモッグから子供を守るためにするべきこと

 子供を守るために親がすべきことは何ですか?
電子スモッグを浴びる機会を子供の生活環境から減少するか、排除してください。そうは言っても、電子スモッグはあらゆる場所に存在しますから、これを完全に避けることは難しいでしょう。しかし、子供のすぐ近くの場所に電子機器を置くこと、特に就寝時などの長期間にそれらを置くことは、健康上のリスクとなります。子供を守るためにも、両親はこのようなリスクと、電子機器が持つ利点とを比較検討すべきです。

 ベビーモニターは電子スモッグを発しているのでしょうか?使用をやめるべきですか?
全ての電子機器が電子スモッグを発しており、ベビーモニターも例外ではありません。ベビーモニターが子供を危険から守るために必要な予防装置であると確信しない限り、私がこれを利用することはないでしょう。ここで重要なことは、使用にリスクが伴う以上、ベビーモニターを使う決断を下すことは些細な行為ではないという点です。

 電子スモッグを浴びる機会を減らすためのベストな方法は何ですか?
電子スモッグはどこにでも存在していますが、電子機器との距離が近いほど電子スモッグは強烈になります。

ですから、スモッグの吸収量を最小限にするベストな方法は地域の環境について調査し、例え短い間(数時間)でもスモッグの強力な発生源のそばに留まらないようにして、強力ではない発生源の近くにも長期間(数日間)は滞在しないようにすることです。

スモッグの強力な発生源には高圧の送電線、携帯電話、Wi-Fi、電気毛布、その他多くの産業用機器があります。

 電子スモッグから身を守るために使用できるシールドやフィルターはありますか?
実用的なレベルで言うと、存在しません。電子スモッグを浴びないために一般人がそのような手段を用いることに、少しの実践性もないでしょう。

電子スモッグのリスクは今後明らかになる?自閉症との関連は?

 今後の研究で、電子スモッグから生じるリスクの問題は明らかになるでしょうか?
問題が解明される可能性は低いです。何故なら電子スモッグのリスクは科学的な問題ではなく、研究結果をどう判断するかの価値観の問題だからです。

電子スモッグの影響を人体に伝える生物学的メカニズムに関する、純粋に科学的な多くの謎が未解明のままですが、このような専門的な謎は一般の人々にとっては興味や重要性がほぼないものとなります。

一方、価値観について言うと、私の考えではリスクは確実に存在しますが、電子機器の製造業者たちは例外なくこの意見に反対するでしょう。この様な価値観の相違の問題を考慮すると、現在行われている全ての研究は意味のないものになります。

ですから科学的事実と価値観とが混ざり合ったこの問題が近い将来に解決に至ることはないと私たちは合理的な理由をもとに確信できるのです。

 電子スモッグについての研究で、自閉症に関連したものは行われましたか?
いいえ、しかし私と同僚はそのような研究を間もなく開始できればと望んでいます。

著者情報

マリーノ博士は生物物理学博士号と法務博士号を取得し、40年以上にわたり電気エネルギーの生物学的な影響を研究しています。これまで彼はこの件を主題とした数百点の科学的論文や記事を発表してきました。(その論文の多くはAndrewamarino.comに掲載されています。)  彼は「電子スモッグは、身体が他の刺激物を感知するのと同じ基本的プロセスを通して、脳によって感知され、関連する病気は電子スモッグによって誘引された生物学的ストレスの結果として生じる」という理論を生み出した人物でもあります。1989年からマリーノ博士はLSU健康科学センター・シュリーブポートの整形外科部で教授を務めています。

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