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妊娠したらアレルギーが起こる食べ物(アレルゲン)は赤ちゃんのために避けるべき?

 食品アレルギーに悩まされる赤ちゃんや幼児は少なくありません。生まれた赤ちゃんが食品アレルギーだったらどうしようと悩んでいる妊婦さんも多いのではないでしょうか。特にお母さん自身が食品アレルギーに悩まされた経験があったり、身近に食品アレルギーを持つ子どもがいたりする場合は、なおさら不安になるでしょう。赤ちゃんが食品アレルギーにならないために、妊娠中や出産後は何に注意する必要があるのか説明してまいります。

妊娠中のお母さんの食事と赤ちゃんの食品アレルギーは無関係

 妊娠中にお母さんが食べたものによって赤ちゃんが食品アレルギーになるという研究結果は、現在のところ報告されていません。厚生労働科学研究班による「食品アレルギーの診療の手引き2014」によりますと、両親もしくは1人以上のきょうだいに食品アレルギーがあるハイリスク児を対象に調査したところ、妊娠中の母親の食事と食品アレルギーの出現には相関が見られないことが分かっています。

 胎児は、お母さんが食べた食事から作られた血液から栄養を受け取っています。ですが、その栄養分のなかには食品アレルギーを引き起こす物質が入っているわけではありませんので、お母さんは安心して、大豆や小麦、卵などの食品アレルギーを引き起こす食品を妊娠中も食べることができるのです。

参考:厚生労働科学研究班「食品アレルギーの診療の手引き2014」
http://www.foodallergy.jp/manual2014.pdf

偏ったアレルギー除去食よりも栄養バランスの良い食事を!

 食品アレルギーを引き起こすことがある食品としては、小麦や大豆、牛乳、乳製品、卵などのよく食べられる食材だけでなく、キウイフルーツやオレンジ、リンゴ、モモなどのフルーツ、エビやカニ、イクラ、サケ、イカ、サバなどの魚介類、豚肉や鶏肉、牛肉などの肉類などが含まれます。

 「赤ちゃんがどのアレルギーを持っているか分からないから」と言って、これらのアレルギーを引き起こす可能性がある食品をすべて食事から取り除いてしまうと、当然のことですが食べられる食品が極端に狭まり、健康に気をつけなくてはいけないはずの妊婦さんの栄養バランスが崩れてしまうでしょう。

 妊娠中にお母さんが食べている食事と赤ちゃんの食品アレルギーには相関はありませんので、安心してまんべんなく色々な食事を食べていくようにしましょうね。特定の食品を除いたアレルゲン除去食を食べるのではなく、栄養バランスの良さに注意をして食事を楽しんでください。

ただし妊婦自身に食品アレルギーがある場合は別

 ただし、妊婦さん自身に食品アレルギーがある場合は、そのアレルゲンとなる食品を除去しなくてはいけません。アレルギー症状が激しく出て、呼吸困難や血圧低下、意識を失う等のアナフィラキシー・ショック状態になってしまうと、お母さんだけでなく胎内の赤ちゃんの健康も損なわれる可能性があります。今までに食べて調子が悪くなった食べ物や、食べてからしばらく経つとかゆみや湿疹、吐き気などのアレルギー症状が出たことがある食べ物は、丁寧に除去するようにしてくださいね。

赤ちゃんが生まれた後のアレルゲン除去

 妊娠中は赤ちゃんの食品アレルギーに関して特に注意する必要はありませんが、赤ちゃんが生まれた後の授乳中や離乳食においては、食品アレルギーに対してどのような対策を取ることができるでしょうか。

授乳中も特に注意する必要なし!

 同じく「食品アレルギーの診療の手引き2014」によりますと、両親もしくは1人以上のきょうだいに食品アレルギーがあるハイリスク乳児の場合でも、お母さんは授乳中に食品アレルギーの原因となる食材を避ける必要はありません。ただし、授乳中に赤ちゃんに食品アレルギーがあることが判明した場合は、医師の判断により低アレルゲン化ミルクや完全加水分解乳などの人工ミルクを利用します。

離乳食を遅らせる必要もなし!

 食品アレルギーになるのが不安で、離乳食をできるだけ遅らせようと考えるお母さんも少なくありません。ですが、離乳食を遅らせることで食品アレルギーの発症率が低下するという研究結果も報告されていませんので、赤ちゃんの発育に合わせて生後4~6ヶ月ごろから離乳食を開始するようにしましょう。

 もし、赤ちゃんに食品アレルギーがある場合でも、正しく対処できるように、食品アレルギーの原因となる食材を1つずつ試していくことと食事日記をつけることをおすすめします。

過度の心配は不要!妊娠中も健康的な食生活を続けよう

 妊娠中はお母さんだけでなく赤ちゃんの健康のためにも、栄養バランスの良い食事を1日3回適量ずつ食べることが大切です。お母さん自身が食品アレルギーを持っている場合は必要に応じて食事制限をしなくてはいけませんが、そうでない場合は、好き嫌いせずに旬の食べ物を楽しく食べていきましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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