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妊娠中のコーヒーは大丈夫?お酒は?アルコールやカフェインの影響について。

 妊娠中にコーヒーを飲んでも赤ちゃんには影響はないのでしょうか。また、お酒は飲んでも大丈夫なのでしょうか。妊娠中の嗜好品摂取について見ていきましょう。

妊娠中のカフェイン摂取は控えよう

 国立成育医療研究センターによりますと、量は明示されていませんが、カフェインを大量摂取すると低体重児出生の確率が高まることが紹介されています。コーヒーや紅茶、緑茶、コーラ飲料等のカフェインが入った飲み物は、飲みすぎないように注意しなくてはいけないと言えるでしょう。

参考:国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報について」
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/qa.html

カナダではマグカップ2杯くらいを限度としている

 飲みすぎないように注意と言われても、どの程度が飲み過ぎなのか分かりにくいですよね。厚生労働省では目安となる具体的な量は公開していませんが、外国の例は紹介しています。

 例えば、カナダの保健省(HC)では、妊娠中の人はコーヒーをマグカップ2杯(カフェインの量に換算すると1日に300ミリグラム)までに抑えるべきだとしています。また、妊娠中の人だけでなく、授乳中の人や妊娠を希望する人も、コーヒーは1日にマグカップ2杯までに抑えることが望ましいと推奨しています。

参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

イギリスでは小さめカップに2杯程度

 イギリスの食品基準庁(FSA)では、カフェインの摂取量を1日に200ミリグラムまでに抑えることを勧めています。濃さにもよりますが、小さめのマグカップで1杯半~2杯程度の量と言えるでしょう。また、カフェイン量を1日に200ミリグラム以下に抑えるだけでなく、エスプレッソ等のカフェインが高濃度の飲み物は避けるようにとも述べています。

国際保健機関では通常のコーヒーカップに3~4杯

 また、国際保健機関(WHO)では、紅茶とココアとコーラ飲料は同程度のカフェインを含み、コーヒーは紅茶等の2倍のカフェイン量を含んでいると説明しています。そのため、特にコーヒーの飲用に注意をし、妊娠中の場合は1日にコーヒーカップ3~4杯程度に抑えるべきだと述べています。

デカフェ(カフェインレス)コーヒーはOK

 コーヒーを愛飲している人は、「コーヒーがないと目覚めがすっきりしない」「コーヒーを飲まないと仕事ができない」と感じることもあるでしょう。もちろん、妊婦さん自身の健康やお腹の赤ちゃんの健康を考えるならコーヒーはなるべく控えるべきですが、人によってはコーヒーを控えることが苦行になることもあるのです。

 そのような人は、デカフェ(カフェインレス)のコーヒーを飲んでみるのはいかがでしょうか。最近ではほとんどのコーヒーショップでカフェインレスコーヒーを取り扱っていますし、大型のスーパーやデパートでも家庭用のカフェインレスコーヒーが売られています。

 味も以前と比べると格段に良くなっていますので、カフェインレスであることに気付かないレベルのものも少なくありません。どうしても風味の違いが気になる人も、ミルクを入れれば、違いがあまり気にならなくなりますよ。

妊娠中のアルコールはNG!

 量を制限すれば妊娠中も飲用可能なコーヒーとは異なり、アルコールは一切飲まない方が良いと厚生労働省でも勧めています。これは、妊娠中にお母さんがアルコールを摂取すると、胎児の知能や発育に障害を生じる「胎児性アルコール症候群」の発症率が高まるからです。

 一応の摂取量の目安として純粋アルコールに換算して60ミリリットルと言われています(ビール中瓶2本半、清酒2合、ワイングラス4杯)が、赤ちゃんの健康へのリスクを少しでも軽減するために、妊娠中は絶対にアルコールを飲まないようにしてくださいね。

参考:厚生労働省「たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02h.pdf

授乳期も飲酒はNG

 厚生労働省によりますと、母体のアルコール血中濃度の90~95%が母乳から検出され、お母さんの飲酒量の約1.8~2.2%が乳児に移行するとされています。つまり、母乳栄養の場合、お母さんがアルコールを摂取するなら、赤ちゃんの飲む母乳の中にもアルコールが入ってしまうのです。アルコール入りの母乳を飲む赤ちゃんは成長が抑制されることも分かっていますので、授乳中もお酒は控えるようにしてくださいね。

タバコもNG!

 お腹の中の赤ちゃんはお母さんの血液から栄養を摂取しています。ですが、タバコに含まれるニコチンは血流を低下させる働きをしますので、喫煙すると胎盤に充分な血液が行きわたらない可能性が高まります。

 また、タバコに含まれる一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させますので、喫煙すると赤ちゃんが低酸素状態になる可能性を高めます。妊娠中はもちろん妊娠を希望する人も、タバコは吸わないようにしてくださいね。

母体と胎児の健康のために

 アルコールとタバコを避け、コーヒーの摂取量を控えることで、母体と胎児の健康を害するリスクを減少することができます。正しい嗜好品の摂取を心がけましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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