妊娠4ヶ月目は、妊娠初期最後の1ヶ月です。安定期と呼ばれる妊娠中期まであと一歩。どんなことに気を付けて過ごしていくことができるでしょうか。
妊娠4ヶ月目の妊婦の状態
妊娠4ヶ月目の妊婦の身体に見られる特徴や起こり得るトラブルについて見ていきましょう。
妊婦の身体に見られる変化
妊娠初期とは言え、徐々に身体の変化が目立ってきます。身体のラインだけでなく体調や心理的な変化も見られるようになるでしょう。
お腹のふくらみはまだ目立たない
お腹は膨らんできますが、着衣の上からではまだまだ目立たない人が大半です。ですが、確実に子宮が大きくなってきていますので、パンツやスカートのウエスト部分が苦しく感じるかもしれません。ゆったりとした締め付けない服を選んだり、マタニティ用の下着や洋服を購入したりするのも良いでしょう。
動作がゆっくりになることも
動作が徐々に緩慢になることがあります。赤ちゃんを守ろうとする本能的なものですので、敢えて逆らわず、自分のペースで生活できるようにしてください。急がなくても良いように早めに家を出たり、満員の電車やバスを避けるように時間やルートなどを工夫したりすることもできるでしょう。
万が一のことを想定し、ヒールのない靴やスニーカーを履くようにすることもオススメです。主要駅や市区町村役場で受け取るマタニティマークを目立つ位置に付け、赤ちゃんと自分の健康を守れるようにしてくださいね。
貧血になりやすい
赤ちゃんの身体がどんどん作られる時期ですので、胎盤を通して血液がどんどんと運ばれます。そのため、きちんと食事をしていたとしても、貧血状態になってふらついたりすることがあるのです。階段を上り下りするときは手すりを持ったり、転倒しにくい靴を履いたり、荷物で両手を塞がないようにしたり等の工夫をしてくださいね。
頻尿や便秘になりやすい
子宮が膀胱を圧迫しますので、頻尿になることが多いです。とはいえ、充分な水分を摂取することも健康のためには必要なことですので、こまめに水を飲んで、こまめにトイレに行くようにしてくださいね。
子宮によって腸も圧迫されますので、排便にかかせない腸のぜん動が起こりにくくなり、便秘になることも多いです。体調が良いときはスニーカーでウォーキングをしたり、食物繊維が豊富な食べ物(キノコ類や野菜、根菜類)を意識的に食べたりすることが勧められます。寝起きに冷たい水を飲むことも、腸を刺激する1つの方法ですよ。
おりものの量が増える
妊娠4ヶ月目も、まだまだおりものが多く出ます。おりもの用のシートを使ったり、こまめに下着を替えたりして、清潔かつ快適に暮らせるようにしましょうね。
体調などの変化、マイナートラブル
妊娠中は、ちょっとした不調や不快感を覚えやすくなる時期です。妊娠4ヶ月目に見られがちな変化やマイナートラブルには何があるでしょうか。
頭痛
ホルモンバランスの変化により、偏頭痛を感じることもあります。市販の頭痛薬は妊娠中に服用できないものが多いですので、どうしても痛みが我慢できないときはかかりつけの産婦人科か近くの内科で薬を処方してもらうようにしましょう。産婦人科以外で診てもらうときは、かならず妊娠中であることを医師に告げてくださいね。
腹痛や腰痛
徐々に子宮が大きくなってきていますので、お腹周りがなんとなく苦しくなったり、反り腰になって腰痛を感じたりすることがあります。市販の湿布薬などは過剰に冷やしてしまうこともあり、下痢を引き起こす可能性があります。かかりつけの産婦人科に相談して、適切な治療薬を処方してもらうようにしましょう。
ヒールのない靴に履き替えることでも、腰痛をある程度緩和することができます。母体と胎児の安全のためだけでなく、腰痛予防のためにもヒールのない靴や運動靴を履くようにしてくださいね。
吐き気や味覚の変化
妊娠4ヶ月目になると、つわりがひどかった妊婦さんも、徐々に症状が治まってくることがあります。ですが、人によってはつわりが続き、食べ物を見るだけでも吐き気を催したり、特定の食べ物以外は食べられなかったりすることもあります。
健康のためにはバランスよく食べることが大切ですが、あまりにも深刻に捉えてしまうとストレスになってしまいます。「食べられるときに食べれば良い」程度に気軽に構えておくようにしましょう。
ただし、タバコや飲酒などの習慣は、いくらストレスを感じているときでも止めて下さい。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる効果がありますので、胎盤に充分な血液量が流れないこともあります。また、アルコールの摂取を続けると赤ちゃんが胎児性アルコール症候群になる恐れもあり、低体重や早産につながることもあります。
妊娠4ヶ月目の赤ちゃんの状態
妊娠4ヶ月目には、赤ちゃんはどの程度まで育っているのでしょうか。
1ヶ月で体長が2~3倍に!
妊娠4ヶ月目の初期の体長は5~7センチくらいですが、4ヶ月目の終わりごろには15~17センチまで成長します。体重も30グラムほどから100グラムほどにまで大きく増えますので、お母さんとしての自覚を持って、食べるものや生活に注意していきたいですね。
早い赤ちゃんは性別が分かることも
エコー検査を受けたときの赤ちゃんの角度によっては、性別が分かることもあります。ですが、まだ100%しっかりと判別できる時期ではありませんので、医師が性別を告げてくれないことも多いです。性別が気になるお母さん・お父さんも、もうしばらく待ちましょうね。
反射反応が増える
赤ちゃんに反射反応が増えますので、エコー写真のタイミングによっては指をしゃぶっていたりする様子が見られるようになります。お母さんの精神状態や体調にも強く影響を受ける時期ですので、できるだけストレスレスな穏やかな生活を送るようにしていきたいですね。
妊娠4ヶ月目の妊婦が気をつけること
赤ちゃんが大きく成長する妊娠4ヶ月目。お母さんはどのようなことに注意して生活していくことができるでしょうか。
体重コントロール
つわりから解放される妊婦さんも増えますので、つい何でもおいしく食べてしまいます。ですが、まだまだ赤ちゃんは小さく、必要なカロリー量も普段の食事に50kcalほどをプラスする程度で充分ですので、妊娠中だからといってたくさん食べることはNGです。栄養バランスに注意して、普段と同じ量の食事をするようにしてください。
歯科検診
体調が良いときに、歯科医院で検診を受けるようにしましょう。妊娠中は虫歯になりやすい時期ですし、歯周病などに感染していると胎児が低体重児になったり早産したりするリスクが高くなってしまいます。
妊娠線予防のための保湿
お腹のふくらみが気になり始めたら、お腹周りの保湿にも注意が必要になります。しっかりと保湿することで妊娠線を予防することもできますので、強い圧力をかけないように注意しながらお腹周りのケアを始めていきましょう。
毎日を穏やかに過ごしていこう
お腹がどんどん大きくなると、「ちゃんと育っているのかな」「なんとなく身体がだるいな」と精神的・身体的不安を抱えてしまうようになります。ですが、赤ちゃんの健康のためには、お母さんが毎日を穏やかに過ごすことが欠かせません。気楽に生活するように心がけていきましょうね。