ママモル

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

妊娠しても歯は治療できる?レントゲンや麻酔の影響は?

 妊娠中は虫歯になりやすい時期でもあります。つわりやお腹の圧迫感により妊娠していないときよりもこまめに食事をすることや、ホルモンバランスの変化により口内に虫歯を引き起こす細菌が繁殖しやすくなること等、ちょっと油断すると歯のトラブルが発生してしまいます。また、つわり中は歯を磨くだけでも吐き気を催してしまう人もいますので、虫歯の発生リスクがさらに高まることもあるのです。

 ですが、虫歯の治療に歯医者に行くとなると、レントゲンや麻酔等によってお腹の赤ちゃんに影響がないのか不安になりますよね。妊娠中の歯の治療はどうすれば良いのか、そして、妊娠中は歯科医院に行く方が良いのかについて説明してまいります。

基本的には歯科レントゲンや麻酔は胎児に影響なし

 歯科のレントゲンは、虫歯の部分をピンポイントで撮影する「デンタルレントゲン」や歯列全体を撮影する「パノラマレントゲン」、立体的に撮影する「歯科用CT」などがあります。いずれも歯の部分や頭部だけを撮影しますので、お腹周りを被爆することはありません。レントゲン室でパノラマレントゲンや歯科用CTを撮影するときも、お腹の周りには防護エプロンをかけますので、放射線が照射されてしまうということもありません。

医師に妊娠中であることを伝えよう!

 歯科用CTはデンタルレントゲンやパノラマレントゲンと比べると被爆量が多めですが、それでも全身のCTと比べると被爆量は10分の1程度ですし、放射線照射時間もごく短時間ですので、特に心配する必要もありません。

 とはいえ、お腹に赤ちゃんがいるのですから、ごくわずかな影響でも不安になりますよね。虫歯治療を開始する前に医師に妊娠中であることを告げておくなら、麻酔やレントゲン等の配慮をしてもらえますし、不安なく治療を受けることができますよ。

虫歯治療に行くタイミング

 痛みがひどいときは、妊娠中であっても歯科医院で適切な処置を受ける必要があります。痛み止めが必要な場合も、ドラッグストアで適当に選ぶのではなく、歯科医院を受診して、妊娠中でも安心して服用できる痛み止めを処方してもらうようにしてください。

できれば安定期に治療や検査を受けよう!

 妊娠初期やつわりがひどい時期、妊娠後期は、歯科医院の診療台で長時間にわたる治療を受けることは難しいかもしれません。痛みがひどいときは時期に関わらず歯科医院に出向くべきですが、そこまで痛みがひどいわけでないなら、妊娠5~8ヶ月の安定期(妊娠中期)に受診する方が良いでしょう。

オーラルケアを丁寧に行うことが大切

 虫歯に気付いてから治療を受けるまでに間隔が空くときは、虫歯が進行しないように普段以上にオーラルケアを丁寧に行う必要があります。食後かならず歯を磨くことはもちろんのこと、1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯のスキマに詰まった汚れを取り除いたり、虫歯菌や歯周病菌の繁殖を抑えるデンタルリンスを使用したりするようにしてください。

虫歯がなくても妊娠中に一度は歯科医院に行こう!

 虫歯がなくても、妊娠中にぜひ一度は歯科医院に行くようにしてください。2016年の口腔衛生会誌で発表された「妊娠期の歯周状態と低体重児出産のリスクに関する観察研究」では、妊娠中の妊婦に歯周病が見られる場合、低体重児が生まれる可能性が有意に高いことが報告されています。歯や歯茎に異変を感じなくても、体調が安定しているタイミングで歯科医院に行き、虫歯はないかどうか、歯周病はないかどうか、専門的に詳しく調べてもらうようにしましょう。

参考:日本口腔衛生学会会誌2016、66:322-327「妊娠期の歯周状態と低体重児出産のリスクに関する観察研究」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jdh/66/3/66_322/_pdf

検査のときにも妊娠中であることを伝えよう

 特に口内にトラブルがない場合は、麻酔を使った治療を実施することはありません。ですが、レントゲンのときに適切な配慮をしてもらうためにも、そして、診療台の上で不必要に長く待たされることを防ぐためにも、ぜひ受付で「妊娠中です」と一言告げるようにしてください。

普段のオーラルケアも重要

 歯周病予防も虫歯予防と同じく、普段のこまめで丁寧なオーラルケアが求められます。食事が終わったら歯を磨き、1日に一回はデンタルフロス等を使って歯の間に詰まった食べカスや汚れを取り除きましょう。虫歯予防効果があるキシリトールガムも利用できますが、キシリトールを摂取するとお腹がゆるくなることもありますので、医師に相談してから利用するようにしてください。

普段以上に歯を丁寧に磨きましょう!

 妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい時期です。しかも、歯周病になってしまうと低体重児のリスクも高まります。妊娠中を健康的に暮らすためにも、そして、赤ちゃんの健康を守るためにも、普段以上に歯のケアに力を入れるようにしてくださいね。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

EARTH CHILD アースチャイルド


Back to Top