妊娠8ヶ月目から出産までを「妊娠後期」と分類します。妊娠週数では、妊娠28週~31週に該当します。この時期に見られる変化と特に注意すべきことについてまとめました。
妊娠8ヶ月目に見られる変化
妊娠8ヶ月目に入ると、いよいよお腹も大きくせりだし、お母さんも動きづらくなることが多いです。お腹が大きくなること以外にも、次のような変化が見られます。
頻尿になる
子宮が大きくなり、膀胱を圧迫しますので、頻繁にトイレに行きたくなります。しかし、お腹が大きいためにフットワークが低下してしまい、つい尿意を我慢してしまうお母さんも多いでしょう。ですが、あまりにも尿意を我慢していると、膀胱に炎症が起こって「膀胱炎」になってしまうこともあります。面倒がらずにこまめにトイレに行くようにしてくださいね。
吐き気・むかつき
妊娠初期のつわりのような、吐き気やむかつきを感じることもあるでしょう。吐き気がするときは無理に食事を摂るのではなく、食べられるときだけ、栄養バランスを考えた食事を摂るようにしてください。また、嘔吐が続くと脱水症状に陥りやすくなります。こまめに水分を摂取し、体調管理に努めるようにしましょう。
赤ちゃんは2,000グラムほどに!
妊娠8ヶ月目の終わりには、赤ちゃんの体重は1,200~2,000グラムほど、体長は40~42センチほどになります。子宮の中を自由に動き回ることができないほどに成長しますので、以前と比べると胎動を感じる機会が減ってしまうこともあります。
ただし、大きな動きは減りますが、小さな動きは増えます。指をしゃぶったりあくびをしたり首を回したりして、お腹の中で活発に過ごしています。
お母さんの体重も急激に増えることがある
妊娠8ヶ月目は赤ちゃんの体重も急激に増加する時期ですが、お母さんの体重も急激に増加しやすくなる時期です。当然のことですが、急激に体重が増えると母体の体調も悪くなる可能性が高まりますし、妊娠高血圧症候群などのハイリスクな疾病に罹患する確率も高くなってしまいます。食欲に任せて食事をするのではなく、体重をコントロールしながらバランスの良い食事を摂っていくようにしてください。
むくみやすくなる
子宮が大きくなるにつれ、周辺の血管を圧迫するようになりますので、血流が悪くなってむくみやすくなります。特に脚部がむくみやすくなりますので、夜寝る前にマッサージをしたり、普段から冷やさないように靴下を重ねたりするようにしましょう。
また、寝るときに足の下に枕や丸めたバスタオルを置いて、足が少し高くなるようにすることでも、脚部のむくみ解消に繋がります。むくみがひどくなると妊娠高血圧症候群に罹患する可能性もありますので、「たかがむくみ」と思わず、こまめに処置をするようにしてください。
妊娠8ヶ月目に特に注意すべきこと
いよいよ妊娠も終盤戦です。妊娠8ヶ月目は、特にどんなことに注意しながら生活することができるでしょうか。
妊娠高血圧症候群にかかりやすくなる
妊娠8ヶ月目に特に注意したいのが、妊娠高血圧症候群にかかりやすくなることです。高血圧や尿蛋白、1週間に体重が500グラム以上増えるときなどに妊娠高血圧症候群と診断され、ハイリスクな出産となる可能性が高いと判断されます。
妊娠高血圧症候群にかかると、頭痛や動悸、急激な体重増加、深刻なむくみなどの症状が見られることもあります。妊婦さんたちの10~15人に1人は罹患する病気でもありますので、「わたしに限って妊娠高血圧症候群にかかるわけはない」と根拠なく安心するのではなく、誰にでもかかる可能性があるということを覚えておいてください。
逆子と診断されたときは?
妊婦健診のときに逆子であることが分かっても、妊娠30週くらいまでなら自然に頭部が下を向くことがあります。しかし、妊娠8ヶ月目の後半以降も逆子状態が続くときは、自然分娩ではなく帝王切開による出産になる可能性があります。いつ帝王切開になっても大丈夫なように、入院するために必要なものをカバンに入れて準備しておきましょう。
出産準備を始めよう
そろそろ出産準備を始める必要があります。入院のためのカバンをまとめるだけでなく、里帰り出産を予定している人は、里帰りの準備と出産後に必要なものを実家にまとめておくことも必要です。いつ陣痛が来ても大丈夫なように、入院時と出産後に必要なものを準備しておきましょう。
妊娠8ヶ月目の妊婦は毎日の体調管理が仕事!
徐々に体調が不安定になる人も多い妊娠8ヶ月目。できるだけ毎日規則的に生活し、適度に身体を動かして栄養バランスのとれた食事をするなど、健康管理が重要な時期でもあります。特に体重が増え過ぎると、出産時のリスクが高くなってしまいます。毎日の健康管理だけでなく体重管理も大切な妊婦さんの役目だということを理解し、出産までの日々を丁寧に送っていくようにしましょう。