妊娠8ヶ月目から出産までを「妊娠後期」と分類しますので、妊娠9ヶ月目は妊娠後期のちょうど真ん中と言えます。妊娠週数では、妊娠32週~35週に該当します。妊娠9ヶ月目に見られる変化と特に注意すべき点についてまとめました。
妊娠9ヶ月目に見られる変化
妊娠9ヶ月目に入ると、いつ生まれても不思議ではないほどにお腹も大きくせりだします。子宮が胸を圧迫するほどに上がってきますので、次のような不調を感じるお母さんも多くなります
食欲不振
子宮に腹部だけでなく胸部が圧迫され、食欲が落ちてしまうこともあります。無理して食べて吐いてしまったり、何も食べないために返って胃のむかつきが強くなったりすることもあります。
頻尿になる
子宮が膀胱を圧迫して、トイレに行く回数が増えます。トイレに行くのを我慢して、尿漏れしたり、膀胱炎になったりすることもあります。また、反対に、尿意だけを感じて、実際にトイレに行くと何も出ないということもあります。
尚、お腹が大きいとトイレに行くのもつい億劫になりますが、トイレを我慢することは決して身体に良いことではありません。トイレに行きたくないからといって水分を控えることは血行悪化の原因にもなりますので、こまめに水分を摂取し、面倒がらずにトイレに行くようにしましょう。
足や顔のむくみ
大きくなった子宮に下半身の血管が圧迫され、足がむくんでしまうこともあります。また、下半身だけでなく全身の血管も圧迫され、顔のむくみがひどくなることもあります。
赤ちゃんは2,000グラムを超える!
早い赤ちゃんでは妊娠8ヶ月目の終わりごろから、ゆっくりめの赤ちゃんでも妊娠9ヶ月目の終わりには、赤ちゃんの体重は2,000グラムを超えるようになります。体長も45センチほどになり、4等身ほどのバランスになります。
お母さんの体重増加のペースに注意
妊娠9ヶ月目は、お母さんの体重も増えやすくなる時期です。妊娠後期の体重増加は1週間に300グラム~500グラムほどが望ましいですので、急激に体重が増えないように食べるものや食べる量を管理するようにしましょう。体重が急激に増えると妊娠高血圧症候群に罹患し、出産自体がハイリスクになる恐れもありますので、体重コントロールには充分に注意するようにしてください。
胎動が減る
赤ちゃんの身体が大きくなる分、赤ちゃんは子宮内で自由に動けなくなってしまいますので、胎動も減ってしまいます。早い赤ちゃんでは、いつでも生まれられるように赤ちゃんの頭部がお母さんの骨盤に固定されてしまいますので、なおさら赤ちゃんの動きが鈍くなってしまいます。赤ちゃんの成長による自然な変化ですので、急に胎動が減ったからと言って不安にならないでくださいね。
妊娠9ヶ月目に特に注意すべきこと
いつ生まれても不思議ではないほどに大きく成長した赤ちゃん。妊娠もいよいよ終わりが見えてきました。妊娠9ヶ月目は、特に次のことに注意して生活していきましょう。
貧血に注意
出産に向けて血液の循環もますます活発になります。そのため、赤血球中の鉄分が不足し、貧血になってしまうお母さんも少なくありません。立ちくらみやめまいが起こることもありますので、鉄分豊富なホウレンソウやレバーを意識的に食べたり、鉄分が入ったサプリメントを摂取したりしてください。
尚、サプリメントを選ぶときは、かならず妊娠中の人でも飲めるものを選んで下さい。分かりにくいときは薬局の薬剤師やかかりつけの医師に相談しましょう。
前駆陣痛
陣痛ではないのですが陣痛のような痛みや張りが起こることを「前駆陣痛」と呼びます。妊娠9ヶ月になると、前駆陣痛を感じるお母さんも増えてきます。尚、出産時の陣痛を「本陣痛」と呼んで区別することもあります。
前駆陣痛は本陣痛の練習のようなものですので、前駆陣痛が起こったからと言って病院に行く必要はありません。お腹が痛いときは、無理をせずに横になり、痛みが治まるまで安静にしていましょう。しかし、痛みが規則的に起こるようになったり、出血や破水が見られたりするときは、入院する準備をしてから病院に行き、医師の診察を受けて下さい。
出産のときの連絡を再確認しておこう
前駆陣痛が起こると、いよいよ本陣痛も目の前に迫ってきたと感じられるでしょう。入院するときは誰に連絡をするのか、入院中には誰が上の子の世話をするのかなど、出産時に考えられるありとあらゆるケースを想定しておきましょう。
妊娠9ヶ月目も健やかに過ごそう!
妊娠9ヶ月目は、お腹が大きくなることで、お腹の張りや胃の不快感、頻尿、むくみなどさまざまな不快感を覚えやすくなります。しかしゴールは目の前です。ストレッチや軽い運動、健康的な食生活などを規則正しく行うことで、少しでも不快感を解消し、健やかな身体と心で出産に臨めるようにしましょう。