悪阻(つわり)は個人差の大きいものです。妊娠中にまったく不快感がなかったという人もいれば、悪阻がひどく、何ヶ月も吐き気などの深い症状に悩まされる人もいます。つわりがひどいときの緩和方法について探っていきましょう。
悪阻の症状
個人差の大きいつわり。どのような症状となって表れることが多いのでしょうか。
吐き気や嘔吐
頻繁に見られるつわり症状として、吐き気や嘔吐を挙げることができます。食べ物の匂いをかぐことで吐き気を感じる人もいますが、一日中、吐き気を感じる人もいます。また、嘔吐を繰り返す人も少なくありません。食事があまり摂れていないにも関わらず、嘔吐症状が続き、胃液だけを吐いてしまうこともあります。
匂いに対して敏感になる
今まで気にならなかったような生活臭や体臭に敏感になる人もいます。敏感になるだけなら問題はないのですが、敏感に察知しては吐き気を催す場合もありますので注意が必要です。食料品売り場に行けなくなってしまう人やゴミ集積場に近付けなくなってしまう人もいます。
眠気が強くなる
つわりといっても、すべてが吐き気につながるのではありません。一日中ねむくなったり、日中突然睡魔が襲ってきたりすることがあります。危険な道具や機械を用いて作業をしているときや運転中に眠気が来ると困りますので、つわりによって眠気が強くなっている人は、一人で作業や運転などをしないようにしたいものですね。
つわり症状を緩和する方法
では、具体的につわり症状を緩和する方法について見ていきましょう。
食べられるものや吐き気を催さないものを探す
妊婦さんによって、つわり中に食べられるものや吐き気を催さないものは異なります。自分にとって合っている食べ物を探していきましょう。つわり中でも食べられると妊婦さんに人気の食べ物として、次のものを挙げることができます。
冷たいもの
つわりの最中であっても、冷たいものは食べられるという妊婦さんは結構多くいます。アイスクリームやシャーベットなどの氷菓を食べるのも良いでしょう。ですが、冷たいものを食べ過ぎるとお腹を冷やしてしまい下痢を引き起こすこともあります。妊娠中の下痢は早産を誘発することもありますので、ほどほどに食べるようにしてくださいね。
酸っぱいもの
元々は酸っぱいものは苦手だったのに、妊娠中に突然、酸っぱいものを食べたくなる人も少なくありません。焼き魚や揚げものなどに、醤油や塩の代わりに酢を振るのも良いですね。また、みかんやオレンジなどの柑橘系も妊娠中に好まれる食べ物です。ビタミン補給にもなりますので、積極的に食べていきたいですね。
やわらかいもの
噛んでいる間に吐き気を催してしまう人は、噛む力をあまり必要としないやわらかいものがおすすめです。もちろん、まったく噛まないで飲み込んでしまうと胃もたれや消化不良の原因になってしまいますので、適度に噛むことは忘れないでくださいね。ヨーグルトやゼリー、プリン、ムースなどのデザート系だけでなく、茶碗蒸しや豆腐などの食事系もありますよ。
空腹でいる時間を少なくする
お腹がすくと吐き気を催す妊婦さんも多いです。そのような妊婦さんは、空腹を感じにくくすることで悪阻対策をすることができるでしょう。
ミネラルウォーターやルイボスティー
こまめに水分を摂取することで、空腹を紛らわせることができます。水分摂取は、妊婦になりがちな便秘症状の改善にもつながりますよ。もちろん、コーヒーや紅茶などのカフェインが入っているものやアルコールは控える方が良いですので、ミネラルウォーターやカフェインレスのルイボスティー、デカフェ(カフェインレスコーヒー)などがオススメです。
甘みが少々欲しい場合は、少し砂糖を入れるのも良いですね。ただし、人工甘味料は下痢を誘発するものが多くありますので、使用上の注意をしっかりと確認してから使用するようにしてください。いずれの場合も、虫歯にならないよう、飲んだら口内をすすいだり歯を磨いたりすることは忘れないでくださいね。
ハーブティーは、水分を補給するだけでなくリラックス効果もありますのでオススメですが、ラベンダーやカモミール、ジャスミンなど妊娠中の安全が確認されていないハーブや子宮収縮効果があるハーブもありますので注意が必要です。ハーブ専門店で妊娠中にも大丈夫なハーブティーを紹介してもらうか、ルイボスティーなどの安全が確認されておりなおかつカフェインレスのものを選ぶようにしてくださいね。
キャンディーやガム
キャンディーやガムで空腹感を紛らわせることもできます。ただし、妊娠中はホルモンの影響により普段よりも虫歯になりやすくなっていますので、砂糖が入っているキャンディーやガムを長時間食べることは勧められません。キャンディーやガムを口にしたときも、他の食べ物と同様、しっかりと歯を磨くようにしてくださいね。
また、シュガーレスのキャンディーやガムには、人工甘味料が入っていることが多いです。人工甘味料のすべてが悪いわけではありませんが、下痢を誘発するものなどは避ける方が良いですね。
チョコレート
甘いものを少し食べるだけでも、空腹感や吐き気を紛らわせることができます。チョコレートを一片食べたり、おまんじゅうを1つ食べたりするのも良いですね。甘いものはダメと思いこむのではなく、量を調整して食生活に取り入れて下さいね。
におい対策
においに対して過敏になる人は、におい対策をすることで悪阻を予防することができます。
マスクを着用する
マスクを着用することで、においをある程度かがないようにすることができます。特ににおいが強いゴミ集積場に行くときや電車やバスに乗るときなどは、マスクの着用が勧められます。ウイルス感染を予防する効果もありますので、においが気にならない妊婦の方も、電車やバスに乗るときや人の多いデパートやスーパーに行くときはマスクを着用する方が良いですね。
眠気対策
どんなに夜しっかりと寝ても、昼間に突然眠気が襲ってくることがあります。無理に眠気を覚まそうとするよりは、15分だけでも良いですので仮眠をとる方が眠気解消の効果があります。仕事中に眠気に襲われる人は、上司に相談し、15分ほどの仮眠を申請して見ましょう。
無理をしないことが基本
妊娠中には、妊娠していないときでは考えられないような症状(吐き気や眠気、匂いに対する過剰反応等)が起こります。いずれも根本的に解決できることではありませんので、「妊娠中だから仕方ない」と自分自身で納得することも大切です。無理をせず、妊娠生活を送っていきましょうね。