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子供の皮膚のバリアは超大事!ゴシゴシは使わない!アレルギーにならないためにできる事。

 子供の皮膚というと、いつもすべすべで健康なイメージを持つかもしれません。しかし、実は大人よりも水分も脂分も少なく、傷つきやすいものなのです。子供の皮膚を守るためには、皮膚本来に備わっているバリア機能を守ることが大切です。バリア機能を守ることで、アレルギー症状を出にくくすることもできます。

 皮膚のバリア機能がなぜ大切なのか、また、どのようにすればバリア機能を守れるのかについてまとめました。子供の美しく健康な肌をキープするためにも、ぜひご覧ください。

皮膚のバリア機能とは?

 皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織の3つの構造から成り立っています。それぞれの構造はさらに細かく分かれており、もっとも外側の表皮は、外側から角層、顆粒層などから成り立っています。

 皮膚のバリア機能とは、皮膚本来に備わっている身体を守る機能です。主な機能は2つあります。1つは皮膚内の水分が蒸発してしまうことを防ぎ、皮膚内が常に一定の水分量を保つための機能です。皮膚のもっとも外側の部分である表皮の角層が、主にこの水分保持の役割を担います。もう1つは、体外から異物が侵入することを防ぐ機能です。細菌やウイルス、刺激となる物質が皮膚や体内に侵入することを防ぎます。

バリア機能1:角層の水分保持機能

 角層には、セラミドや脂肪酸などの角質細胞間脂質が存在しています。角質細胞間脂質は角層内の細胞同士をくっつける役割を果たしていますが、同時に角層内にある水分が体外に出ないように包み込む役割も果たしています。つまり、角質細胞間脂質が充分に存在し、充分に水分保持機能を発揮することで、肌はうるおいを保てるようになるのです。

 また、角層にはアミノ酸や尿素などの天然の保湿因子も含まれています。これらの保湿因子も皮膚内の水分保持に大きな役割を果たします。

 角層にはさらにもう1つ、水分保持に欠かせない成分があります。それは、皮脂腺から分泌される皮脂です。皮脂は角層のもっとも外側を薄い膜で覆い、角質細胞間脂質や天然保湿因子が保持した水分を体外に蒸発させないようにしています。

バリア機能2:体外からの異物侵入防御機能

 自然界には、人の身体を傷つけるさまざまな物質が存在します。例えばウイルスや細菌は、体内に入り込み、健康を損なうことがあります。また、ほこりやダニの死骸、紫外線などは、体内に侵入するとアレルギー症状を引き起こすこともあります。

 皮脂が皮膚全体をしっかりと覆っているときは、バリア機能が働き、体内に細菌やアレルギー症状を引き起こす物質(アレルゲン)が侵入しにくくなります。また、角層の水分量が多く、しっかりと潤っているときも、体内に細菌やアレルゲンは侵入しにくくなるのです。

皮膚のバリア機能を守るためには保湿が大切

 角質がしっかりと水分で潤っており、皮脂が皮膚全体を膜で覆っている状態になっていると、皮膚のバリア機能は正常に作動します。つまり、水分と脂分で皮膚を適切に保湿することで、皮膚のバリア機能を高めることができるのです。

皮膚が乾燥するとかゆみが起こる

 皮膚が乾燥するということは、皮膚のバリア機能が正常に作動していない状態になっているということです。外的刺激に皮膚がさらされやすくなっていますので、少しの刺激でも「かゆみ」といった不快感をにつながります。かゆみが深刻化すると、皮膚をひっかくため、さらにバリア機能が衰えてしまいます。かゆみを直すためにも、まずは保湿を心がけ、ひっかかないように注意しなくてはなりません。

効果的な保湿とは?

 保湿を適度にすることで、すべすべの潤った肌を守るだけでなく、アレルギー症状を引き起こす物質や細菌が体内に入り込むことを防げます。特に秋冬は大気が乾燥し、角層内に含まれている水分も蒸発しやすくなっています。しっかりと保湿ケアをして、皮膚のバリア機能が正常に作用するようにしていきましょう。

しっとりと潤った肌に保湿剤を塗る

 皮膚のバリア機能を正常化するためには、皮膚中に充分な水分量が保たれた状態にしなくてはなりません。そこで必要になるのが保湿ですが、実際のところ、ボディークリームや病院で処方される保湿剤には皮膚全体を潤すほどの水分は入っていないのです。

 保湿剤やボディークリームは、あくまでも、「皮膚の水分を逃さない」程度に肌に被膜を作るアイテムです。つまり、乾燥した肌にどんなに保湿剤やボディークリームを塗りこんでも、塗りこんだ瞬間は肌は潤いますが、少し時間が経つと元のかさかさした肌に戻ってしまうのです。

 保湿剤やボディークリームの「皮膚の水分を逃さない」機能を活かすためには、肌が水分で潤った状態にボディークリーム等を塗ることが大切です。皮膚が水分で潤っているとき、例えば入浴後にしっかりとボディークリーム等を塗りこむならば、肌の水分が長時間失われずにキープすることができるのです。

入浴後以外のタイミングで保湿するには?

 皮膚の乾燥が深刻なときは、入浴後だけに保湿をするのではケアが充分とは言えません。朝起きたときや日中など、入浴後以外のタイミングでも、気が付いたときに何度でも保湿ケアをしたいものです。しかし、保湿クリームを塗るだけでは、皮膚の水分は不足してしまいます。化粧水などのアイテムで充分に角層に水分を与えてから、ボディークリームや保湿剤で水分が蒸発しないようにフタをするようにしてください。

皮脂を落としすぎないことも大切

 化粧水や保湿クリームを使って保湿することも重要ですが、人間本来が持つ皮膚のバリア機能を損なわないようにすることも大切です。特に皮膚を覆う皮脂が失われてしまうと、水分保持機能が著しく低下してしまいますので、皮脂を落としすぎないことを心掛けなくてはなりません。

皮膚をこすりすぎない

 不要な皮脂や汗などの皮膚に付着した汚れを落とすことは大切なことです。皮膚に汚れがついていると、どんなに保湿クリームを塗っても角層に浸透しませんので、適切に落とす必要があります。

 しかし、強く皮膚をこすると、肌に必要な皮脂も落としてしまうことになります。皮膚をきれいにするつもりが、返って皮膚を損ない、アレルゲンや細菌が体内に侵入しやすい環境を作ってしまうことになるのです。できれば柔らかいガーゼや手で皮膚をやさしく洗い、こすらないようにしてください。

洗浄成分が強すぎる石鹸やボディーソープは使用しない

 皮膚を強くこすらなくても、使用する石鹸やボディーソープの洗浄成分が強すぎると、必要な皮脂まで落としてしまうことになります。皮膚が乾燥しやすい人、冬場などにかゆみが出る人は、洗浄成分が強すぎる石鹸やボディーソープは使用しないようにしましょう。また、熱めのお湯も、必要な皮脂まで落としてしまいます。ぬるめのお湯に入浴し、シャワーの温度も高くなりすぎないように調整しましょう。

子供の皮膚のバリア機能を守ろう

 子供の皮膚は潤っているように見えても、実際のところは水分量が少なく、すぐ乾燥してしまいます。かゆみ対策、そしてアレルギー対策のためにも、毎日こまめに保湿クリームを塗り、心地よい状態の肌をキープできるようにしてください。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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