トコトリエノールに注目が集まっています。トコトリエノールを大きく打ち出したサプリメントもさまざまな薬品メーカーから販売されていますので、名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。では、トコトリエノールとは具体的にはどのような効果を持つ成分なのでしょうか。トコトリエノールの効果と美容面で期待できることについて解説いたします。
トコトリエノールはビタミンEの一種
トコトリエノールというと何だか新しい成分であるかのような印象を与えますが、実際のところは昔から生活に馴染みの深いビタミンEの一種です。ビタミンEにはいくつかの種類がありますが、その中でも米ぬか(胚芽部分)やパームヤシなどに多く含まれるビタミンEがトコトリエノールです。
自然に摂取できる量は少ない
米ぬかやパームヤシ以外にも、オオムギやライ麦、食用油などにもトコトリエノールは含まれています。しかしながら、トコフェノールなどの他のビタミンEと比べると、量がごくわずかしかありませんので、食品から大量に摂取することは不可能です。
浸透性と吸収性が高いので取り入れやすい
食品の中には少量しか含まれないトコトリエノール。しかしながら、浸透性が高く、しかも吸収性も高いという特性がありますので、少量でもしっかりと体内に吸収され、効果を発揮しやすいというメリットがあります。効率よく摂取することができますので、わずかしかトコトリエノールが含まれない食品でも、積極的に食べる価値はあると言えますね。
ビタミンEの中でも特に抗酸化効果に優れた成分
ビタミンEを代表するものとしてトコトリエノールとトコフェノールがありますが、トコトリエノールはトコフェノールと比べると抗酸化効果は50倍以上と言われており、体内の酸化した成分から酸素を効果的に除外してくれます。
トコトリエノールには発がんを抑える効果も!
トコトリエノールの特筆すべき効果は抗酸化効果だけではありません。トコトリエノールを高濃度に含むエサをマウスに与えると、有意に発がんリスクを抑えることができるということ報告されていますので、トコトリエノールは健康面が気になる人も注目すべき成分だと言えるのです。また、中皮腫(がんの一種)を縮小させる効果があるなど、研究によってトコトリエノールの持つ新たな効果も分かってきています。
トコトリエノールの美容効果
発がんリスクを抑えるだけでなく高い抗酸化効果のあるトコトリエノール。美容面においてどのような特筆すべき効果があるのかまとめてみました。
アンチエイジング
シミやしわは、皮膚が加齢や日焼けの影響で酸化してしまうことによって生じます。また、すでにできているシミやしわも、加齢や日焼けによって酸化することで、さらに色が濃くなったりくぼみが深くなったりします。
ですが、トコトリエノールのように強い抗酸化効果を示す物質が作用すると、すでに酸化してしまったシミやしわを薄くすることが可能です。つまり、抗酸化物質を生活に取り入れることで、アンチエイジングを目指すことができるのです。
皮膚の炎症を鎮める
トコトリエノールには、紫外線によって焼けてしまった皮膚を鎮静化させる効果もあります。シミやしわになる一歩手前の日焼け状態のときにトコトリエノールを取り入れることで、皮膚の炎症を抑え、将来的にシミやしわができにくいようにすることも可能なのです。
むくみを改善する
太っているわけではないのに、脚や顔がむくんでパンパンになっている人もいますよね。また、朝は大丈夫でも夕方になると脚がむくんで、靴が痛くなったり、顔がむくんで眼鏡がきつくなったりすることもあります。
トコトリエノールには排尿を促す効果がありますので、適切に摂取することで体内の余分な水分を排出し、むくみを改善することが期待できます。むくみがちな人にも、トコトリエノールは注目すべき成分だと言えるでしょう。
美白効果も期待できる!
日光に当たるとすぐに顔が赤くなってしまう人も、トコトリエノールの炎症鎮静作用によって美白効果が期待できます。また、体内に余分な水分がたまっていることで代謝が滞り、顔や手足が黒ずんだり黄ばんだりすることもありますが、トコトリエノールの利尿作用によって代謝がスムーズに行われれば、透明感のある美しい肌になることも期待できます。
食品やサプリメントを使って取り入れよう!
吸収性と浸透性が高いため、少量でも効果を発揮するトコトリエノール。自然界に含まれる量はわずかですが、意識して積極的に取り入れていくようにしたいですね。また、普段の食事にパームヤシや胚芽、オオムギなどを取り入れることが難しい人は、サプリメントを活用するのも良い方法です。トコトリエノールが含まれているサプリメントは増えてきていますので、お近くのドラッグストアなどでも手軽に入手することができますよ。
参考サイト:
スーパービタミンE“トコトリエノール”の可能性 第1回(全3回) 抗酸化作用だけにとどまらないトコトリエノールの多様性に着目